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2008 年度 実績報告書

細胞内寄生菌および抗酸菌の増殖と病原性

計画研究

研究領域感染現象のマトリックス
研究課題/領域番号 18073009
研究機関京都大学

研究代表者

光山 正雄  京都大学, 医学研究科, 教授 (10117260)

キーワード細胞内寄生菌 / リステリア / 抗酸菌 / マクロファージ / 病原性
研究概要

本特定研究BO3項目で対象とする細胞内寄生菌は、宿主感染防御機構の中心となる食細胞の細胞内殺菌を免れて増殖し、その結果病原性を発揮する。そこで本研究では、とくに細胞内寄生性を示すリステリア(Listeria monocytogenes)と抗酸菌の代表である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)およびMycobacterium bovis BCGをとりあげ、それらの菌が宿主細胞殊にマクロファージ系細胞内で如何に細胞内殺菌を回避して生存・増殖することが可能であり、またその結果宿主にどのような分子応答を惹起するかを分子細菌学的観点と感染防御免疫学的観点の双方から解明することを目的として研究を行なった。平成20年度には、リステリアのマクロファージ内での食胞からの脱出に必須のhly遺伝子産物(LLO)が、IL-18の成熟に必要なカスパーゼ1の活性化を起こすこと、その際インフラマソーム形成にはASCが関与することを示した。hlyと同様に食胞からの脱出を可能にするilo遺伝子を相補したhly欠損株ではカスパーゼ1活性化はみられず、各種変異遺伝子で相補した株を作製して、ILOにはないLLOのN末端の構造が重要であることが明らかとなった。また、I型インターフェロンが部分的にカスパーゼ活性化に促進的に作用することも判明した。LLOのN末端側の細胞質内認識はまた、カルパインの活性化を誘導しIL-1αの成熟分泌を誘導する知見も得られた。結核菌に関しては、その病原因子候補であるRD1領域の欠損株と相補復帰株を用いて、RD1領域産物がマクロファージからのサイトカイン誘導に関与すること、RD1領域の何らかの産物が結核菌感染マウスにおいて抑制性シグナルとして作用するPD1/PD-L1の発現を持続させることによって、一旦誘導されたTh1型エフェクターT細胞の持続を阻害し、結果的に防御免疫の持続的発動を抑制することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Dependency of caspase-1 activation induced inmadrophages by Listeria monocytogenes on cytolysin, Listeriolysin O, after evasion from phagosome into the cytoplasm2008

    • 著者名/発表者名
      Hara H, Tsuchiya K, Nomura T, Kawamura I, Shoma S & Mitsuyama M
    • 雑誌名

      J. Immunol. 180

      ページ: 7859-7868

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Critical involvement of pneumolysin in production of IL-1α and caspase-1-dependent cytokines in infection with Streptotoccus pneumoniae in vitro : a novel function of pneumolysin in caspase-1 activation2008

    • 著者名/発表者名
      Shoma S, Tsuchiya K, Kawamura I, Nomura T, Hara H, Uchiyama R, Daim S & Mitsuvama M
    • 雑誌名

      Infect. Immun. 76

      ページ: 1547-1557

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞内寄生性リステリア病原因子による宿主免疫応答の誘導機構-生菌免疫の作用機序へのアプローチ-2009

    • 著者名/発表者名
      光山正雄
    • 学会等名
      第82回日本細菌学会浅川賞受賞講演
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-03-13
  • [学会発表] Mycobacterium tuberculosis, Listeria monocytogenes and the host cytokine response2008

    • 著者名/発表者名
      Masao Mitsuyama
    • 学会等名
      第11回京都大学・復旦大学国際シンポジウム
    • 発表場所
      上海、中国
    • 年月日
      2008-10-11
  • [学会発表] Critical involvement of bacterial virulence factor in the host immune response to Listeria monocytogenes2008

    • 著者名/発表者名
      Masao Mitsuyama
    • 学会等名
      Plenary lecture、国際微生物学会議2008(IUMS2008)
    • 発表場所
      イスタンブール、トルコ
    • 年月日
      2008-08-08
  • [図書] Adaptive Immunity to Listeria monocytogenes. Chapter 14(pp427-448), In Handbook of Listeria monocytogenes Ed by Dongyou Liu2008

    • 著者名/発表者名
      Masao Mitsuyama
    • 総ページ数
      540
    • 出版者
      CRC Press New York

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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