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2006 年度 実績報告書

ウイルス感染における細胞内二本鎖RNA認識受容体の機能解析

計画研究

研究領域感染現象のマトリックス
研究課題/領域番号 18073010
研究機関大阪大学

研究代表者

審良 静男  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (50192919)

研究分担者 藤田 尚志  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10156870)
キーワードウイルス / 自然免疫 / インターフェロン / 遺伝子改変マウス / ヘリカーゼ / シグナル伝達 / 核酸 / 遺伝子発現
研究概要

MDA5を欠損するマウスの作製を行った。MDA5欠損マウスはピコルナウイルス科に属するウイルスに対する応答性が顕著に低下していた。一方、RIG-Iによる認識されるウイルス(インフルエンザ、センダイウイルス等)の感染に対する応答性は正常であることから、両者に認識特異性があることが明らかとなった。現在、LGP2を欠損するマウスの作製を行い、ウイルス感染に対する応答性を解析している。さらに、MDA5とRIG-Iに結合する細胞内分子として我々が同定を行ったIPS-1を欠損するマウスの作製を通し、IPS-1が両分子共通に利用される唯一のアダプターであることを明らかとした(審良)。
RIG-Iは、二重鎖RNA刺激によるIFN遺伝子の活性化に関与する分子として発現クローニング法によって同定された。このRIG-I活性化の分子メカニズムをさらに詳細に解析するために、in vitroの実験系を確立し、解析を行った。バキュロウイルスを用いて大量に発現させたRIG-I蛋白質を部分精製し、様々な核酸存在下におけるRIG-Iによる核酸の認識、ATPaseおよびヘリカーゼの活性化などについて解析し、IFN誘導シグナル伝達能との関連について検討した。これまでの解析から、in vitroにおいてもdsRNA依存的にRIG-IのATPaseが活性化され、さらに二重鎖構造をほどくヘリカーゼ活性を検出することに成功している。しかし一方で、RIG-Iのヘリカーゼの活性化とシグナル伝達能とは必ずしも相関しないことが明らかになりつつあり、今後さらに詳細に解析することにより、RIG-Iによるシグナル活性化の分子メカニズムを明らかにしてゆきたい。また、RIG-Iのファミリー分子であるMDA5、LGP2についてもそれらの基質特異性なども含めてin vitro実験系を構築し解析を進めてゆく計画である(藤田)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Viral infections activate types I and III interferon genes through a common mechanism2007

    • 著者名/発表者名
      Onoguchi, K., Fujita, T.et al.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 282

      ページ: 7576-7581

  • [雑誌論文] Differential roles of MDA5 and RIG-I helicases in the recognition of RNA viruses2006

    • 著者名/発表者名
      Kato, H., Akira, S.et al.
    • 雑誌名

      Nature 441

      ページ: 101-105

  • [雑誌論文] Essential role of IPS-I in innate immune responses against RNA viruses2006

    • 著者名/発表者名
      Kumar, H., Akira, S.et al.
    • 雑誌名

      J. Exp. Med. 203

      ページ: 1792-1803

  • [雑誌論文] Roles of caspase-8 and caspase-10 in innate immune responses to double-stranded RNA2006

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, K, Akira, S. et al.
    • 雑誌名

      J. Immunol. 176

      ページ: 4520-4524

  • [雑誌論文] Roles of TANK-binding kinase 1 and inducible IkappaB kinase in IFN responses against viruses in innate immune cells2006

    • 著者名/発表者名
      Matsui, K., Akira, S.et al.
    • 雑誌名

      J. Immunol. 177

      ページ: 5785-5789

  • [雑誌論文] 5'-Triphosphate RNA is the ligand for RIG-I2006

    • 著者名/発表者名
      Hornung, V., Akira, S.et al.
    • 雑誌名

      Science 314

      ページ: 994-997

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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