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2010 年度 実績報告書

壊死毒ファミリー毒素の構造機能相関と細菌感染における役割の解析

計画研究

研究領域感染現象のマトリックス
研究課題/領域番号 18073012
研究機関大阪大学

研究代表者

堀口 安彦  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)

キーワードウエルシュ菌 / エンテロトキシン / クローディン / β型孔形成毒素 / 結晶構造解析
研究概要

食中毒の原因となるウエルシュ菌エンテロトキシン(C.perfringens enterotoxin, CPE)は古くから膜孔形成毒素と考えられているが、それを示す直接的な証拠はこれまで得られていない。今年度、本研究ではCPE全分子の結晶構造解析に成功した。その結果、本毒素にβ型孔形成毒素の構造学的特徴を見出すことができた。
種々の条件で作製したCPEの結晶から、最高2.0Åの分解能のX線回折データを得ることができた。その解析の結果、CPEは95x42x32Åの伸展した分子構造をとり、3種のドメインから構成されていることがわかった。ドメインIはこれまでC-CPEと呼ばれていた受容体結合ドメインで、ドメインIIおよびIIIはβストランドが密接してひとつのモジュール構造をとっていた。3種のドメインの位置関係やドメインIIとIIIの構造はβ型孔形成毒素であるアエロリジンやウエルシュ菌ε毒素などと類似した。先述のモジュール構造には長い2本のアンチパラレルβストランドが存在し、これに垂下するように存在するαヘリックスとそれに隣接するβストランドは疎水性アミノ酸が1残基ごとに分布するアミノ酸配列様式を示した。このようなアミノ酸配列は、細胞膜への貫入ループ領域に共通する。また、長い2本のアンチパラレルβストランドは、貫入ループを細胞膜に接近させるために大きく屈曲するウエルシュ菌パーフリンゴリシン(PLO)のドメイン構造と類似した。PLOもβ型孔形成毒素に分類されることから、以上の構造的特徴を併せて、CPEがβ型孔形成毒素に分類されうることが考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Bordetella dermonecrotic toxin binds to target cells via the N-terminal 30 amino acids.2011

    • 著者名/発表者名
      Fukui-Miyazaki A., Horiguchi, Y., et al.
    • 雑誌名

      Microbiology and Immunology

      巻: 55 ページ: 154-159

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of the membrane-targeting C1 domain in Pasteurella multocida toxin.2010

    • 著者名/発表者名
      Kamitani, S., Horiguchi, Y., et al.
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry

      巻: 285(33) ページ: 25467-25475

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Association of Bordetella dermonecrotic toxin with the extracellular matrix.2010

    • 著者名/発表者名
      Fukui-Miyazaki, A., Horiguchi, Y., et al.
    • 雑誌名

      BMC Microbiology

      巻: 10 ページ: 247-255

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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