計画研究
1)昨年度、熱帯熱マラリア原虫ハウスキーピング遺伝子について明らかにした原虫地域集団の遺伝的多様度と東アフリカからの地理的距離との強い負の相関がアワクチン候補抗原についてもあてはまるかどうかを検討した。7ヶ国の原虫集団からmspl、amal、cspの遺伝子全長配列を得、解析した結果、塩基多様度の7~9割が地理的距離に依存して低下することを認めた。これはマラリア獲得免疫やワクチンの効果が地域によって大きく異なることを示唆する。2)流行地域住民のほとんど抗SE36抗体はSE36抗原内の8mer反復アミノ酸配列及びそれに続くSerine rich配列に反応するが、合成ペプチドカラムにより特異抗体を精製し、ADCIによってマラリア原虫増殖を協力に阻害することを見いだした。これらの領域が防御エピトープであることが示された。SE36蛋白質と自然免疫アジュバントCpGを組み合わせた第二世代SE36マラリアワクチンの効果をリスザルを用いた感染実験によって実証された。また、GMP生産が可能となり、前臨床試験も行いつつある。3)SERA多重族遺伝子群の系統解析を行った。18種のマラリア原虫からSERA遺伝子を網羅的に同定し、140を超えるSERA遺伝子ホモログの系統解析から、トリマラリアを起源としSERAはグループIからグループIVにわけられ、特に各原虫で遺伝子数を異にするグループIVでの遺伝子重複が感染宿主域の拡大に大きく関係していることが示唆された。4)三日熱マラリア原虫のヒト寄生の遺伝的基盤を探索すべく、近縁種であるサルマラリア原虫のP.cynomolgiのゲノムを解読した。比較ゲノム解析の結果、メロゾイトの赤血球侵入に関わるリガンド(DBPやRBP)の多重遺伝子族ファミリーにおいてコピー数の変動のあることを認めた。5)昨年度、熱帯熱マラリア原虫ハウスキーピング遺伝子について明らかにした原虫地域集団の遺伝的多様度と東アフリカからの地理的距離との強い負の相関がアワクチン候補抗原についてもあてはまるかどうかを検討した。7ヶ国の原虫集団からmspl、amal、cspの遺伝子全長配列を得、解析した結果、塩基多様度の7~9割が地理的距離に依存して低下することを認めた。これはマラリア獲得免疫やワクチンの効果が地域によって大きく異なることを示唆する。6)三日熱マラリア原虫のヒト寄生の遺伝的基盤を探索すべく、近縁種であるサルマラリア原虫のP.cynomolgiのゲノムを解読した。比較ゲノム解析の結果、メロゾイトの赤血球侵入に関わるリガンド(DBPやRBP)の多重遺伝子族ファミリーにおいてコピー数の変動のあることを認めた。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (28件) 備考 (3件)
PLoS One
巻: 6 ページ: e17775
Antimicrob.Agents Chemother
巻: 55 ページ: 94-100
巻: 5(10) ページ: 13179-13186
Expert Rev Vaccines
巻: 9(7) ページ: 775-784
Parasitol Int.
巻: 59(3) ページ: 380-386
Allergol Int.
巻: 59(2) ページ: 115-124
Am.J.Trop.Med.Hyg.
巻: 83 ページ: 1230-1237
Malar.J.
巻: 9 ページ: 184-184
Curr.Biol.
巻: 20 ページ: 1283-1289
J.Clin.Microbiol.
巻: 48 ページ: 2509-2514
http://kansen-matrix.jp/
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/act/act_tanabe.php