細菌感染時の樹状細胞による自然免疫系と獲得免疫系の連結機構の解明

2008 年度 自己評価報告書

• 研究領域: 感染現象のマトリックス
• 研究課題/領域番号: 18073015
• 研究種目: 特定領域研究
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 生物系
• 研究機関: 慶應義塾大学
• 研究代表者: 小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2010
• キーワード: 自然免疫 / 獲得免疫 / 粘膜免疫

研究概要

腸管における病原細菌の検知機構として、樹状細胞、上皮細胞、肥満細胞、そして抗原の補足を主たる目的とすると思われる器官としてパイエル板や孤立リンパ小節などの腸管関連リンパ組織(GALT)が挙げられる。Listeria monocytogenes(以下リステリア)感染において上皮細胞が破壊されることや上皮細胞が生産するサイトカインが炎症に重要である可能性は高いが、同時に樹状細胞やマクロファージを介した感染の検知も重要である。しかしその経路がGALT を介するのか、上皮の間隙から突起を伸ばす樹状細胞などが重要なのか、明らかではない。これまでで樹立した様々な遺伝子改変マウスと上記のトランスジェニックマウスと交配したマウスを利用してこれらの問題に迫る。どのような細胞が感染を検知し、初期には炎症性サイトカインによって増殖を抑えつつ、抗原特異的な反応の起動につなげ、さらに長期にわたる記憶の成立につなげるか、その分子機構を明らかにすることを目指す。これらの研究を推進することで、細菌と宿主の相互作用の本質を理解するための研究を展開する。

研究成果

• [雑誌論文] Critical roles of NK and CD8+ T cells in distinct phases of CNS listeriosis. (2009)
  • 著者名/発表者名: Hayashi, T. Nagai, S., Baba, Y., Ikeda, E. Kawase, T. and Koyasu, S
  • 雑誌名: J. Immunol (in press)
  • 査読あり
• [雑誌論文] Critical role of dendritic cells in determining the Th1/Th2 balance and the disease outcome upon Leishmania major infection. (2008)
  • 著者名/発表者名: Suzue, K., Kobayashi, S., Takeuchi, T., Suzuki, M. and Koyasu, S
  • 雑誌名: Int. Immunol 20 ページ: 337-343
  • 査読あり
• [雑誌論文] Essential roles of DC-derived IL-15 as a mediator of inflammatory responses in vivo. (2006)
  • 著者名/発表者名: Ohteki, T., Tada, H., Ishida, K., Sato, T., Maki, C., Yamada, T., Hamuro, J. and Koyasu, S.
  • 雑誌名: J. Exp. Med. 203 ページ: 2329-2338
  • 査読あり
• [学会発表] 中枢神経系リステリア感染症におけるIFNγとIL-17 の役割 (2008)
  • 著者名/発表者名: 林俊行,永井重徳,馬場夕紀子,小安重夫
  • 学会等名: 第38回日本免疫学会総会・学術集会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2008-12-02