計画研究
本年度も多くの成果があがった。その中でも重要な成果は細胞内ATPレベルの計測を可能とするATPセンサータンパク質(ATeam)の開発である(PNAS 2009)。これによって、ATPレベルの時間変化、各細胞内分布などを詳細に計測できるようになった。この発表に対する反響は非常に大きく、国内外よりAteamの分与の問い合わせが100件以上来ている。また、NHKをはじめとする各種メディアに多数取り上げられた。また、顕微鏡下における平面膜形成技術を用いた輸送小胞(COPII)の形成過程のダイナミクス計測(EMBO 2009)に関しても、EMBO誌におけるダウンロードTop10に入るなど国内外の反響が非常に大きかった。その他の本年度の主たる成果を下記に列挙する。● F_1-ATPaseの温度感受性反応ステップの解析:昨年度発見した新しい反応ステップである温度感受性反応が、予想と異なりATP結合前後の構造変化であることが解明された。● F_0F_1ATP合成酵素のATP合成反応における制御サブユニットの役割:制御サブユニットεは、ATP加水分解・合成反応に対して阻害的に働くことが分かった。また、合成反応における膜電位・pH差依存性が詳細に調べられ、合成時回転の1分子計測に必要な条件が明らかとなった。● ATP結合の角度依存性:マイクロチャンバーを用いた高感度ATP消費計測技術を応用することで、加水分解方向に強制回転した時のATP加水分解効率を計測した。この結果を、様々なモデルで検証した結果、ATP結合速度定数が回転方向に対して指数的に上昇することが明らかとなった。
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