計画研究
本研究課題の目標は、独自の光学顕微鏡技術を開発することで、膜超分子モーター(主にF_0F_1-ATPase)の作動原理について1分子のレベルで解明することである。2009年度においては、3次元を測定する手法の分子モーターへの応用として、以下の4つの研究を発展させた。(1)Mycoplasma Mobileのゴーストが発生する力の3次元測定。モービレとガラスが相互作用する角度に応じて、力の増減が認められた。(2)キネシンと微小管の3次破断力の測定。2次元方向の力と比較して大きな違いは見られなかったが、計測系のブラッシュアップが順調に進められた。(3)F_1-ATPaseの回転軸への応用。従来は、対物レンズそのものを水中の試料に対して動かすことで、その変位に応じた負荷を加えるという測定方法であった。ただしこの方法では、測定中に試料面を相対的に移動させるため、その移動に付随する変位のノイズが計測に加わってしまう。そこで新しい方法として以下の2つを検討した。(A)光学系内の集光レンズをアクチュエイターで制御し、レーザーの集光位置のみを光軸方向に動かす;(B)レーザーの強度だけを変化させ、時間と共に増加するような負荷を発生させる。どちらの場合においても、試料の位置も対物レンズの位置も動かす必要がないため、再現性の良いデータが取得できるようになった。(4)繊毛運動の3次元解析。哺乳類の単離気道上皮繊毛の動きについて、共同研究グループより試料を提供してもらい、解析を行った。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (14件)
蛋白質・核酸・酵素 54
ページ: 1919-1927
EMBO Journal 28
ページ: 3279-3289