原因遺伝子単離に向けて、PUI遺伝子型がnon-UIホモ遺伝子型個体とPUIホモ遺伝子型個体を用いてAFLP解析を行った。AFLP解析の結果、6個の連鎖マーカーを単離した。このAFLP解析で得られたPUI F_2集団各個体の遺伝子型情報を基に連鎖地図を作成した。その結果、全ての連鎖マーカーが1つのグループに分類され、全長約18cMの連鎖地図が作成された。さらに、本連鎖地図上に標的遺伝子座であるPUI遺伝子座が座上するかを解析するためにPUI F_2集団の表現型データを基に解析を行った。その結果、DNAマーカー・E-AAC/M-CCTとE-ACG/M-GAC間の約5cMにピークが検出された。ゆえに、この2つのマーカー間にPUI制御遺伝子座が座上すると考えられた。 19oCの冷水掛け流し圃場で生育させたヒトメボレ(耐冷性極)とササニシキ(耐冷性やや弱)の形態観察を行った。また、花粉稔性をI_2-KIによる花粉粒デンプンの蓄積で調査したところ、常温で生育させたそれぞれの品種は、ほぼ100%の稔性を示し、低温のヒトメボレでほ81.7%とほぼ変化は見られなかった。一方、ササニシキでは57.3%と花粉稔性の著しい低下が確認され、花粉デンプンの充実の低下が低温による不稔性の原因の一つであることが考えられた。マイクロアレイより得られたデータの解析により、葉で発現の変動がないが、葯での発現に差異のある遺伝子のクラスターを見いだした。 日本晴3核期葯よりsmall RNA cDNAライブラリーを構築し、シークエンスを決定した。この結果、56個のsmall RNA候補配列を得ることができた。この中には、既報のmiRNAであるMIR166とMIR167が含まれていた。このため、ライブラリーの質は担保されたと考えている。現在、発現解析を行い組織間における発現パターンを調査中である。
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