研究領域 | 植物の生殖におけるゲノム障壁成果分析 |
研究課題/領域番号 |
18075003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 正夫 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90240522)
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研究分担者 |
鈴木 剛 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10314444)
諏訪部 圭太 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (50451612)
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キーワード | 高等植物 / ゲノム障壁 / 新規不和合性 / 花粉-柱頭相互作用 / 遺伝子破壊系統 / 表現型 / 遺伝子発現 / 分子マーカー |
研究概要 |
柱頭側一側性不和合性因子(SUI因子)に対する連鎖マーカーであるBRMS195と連鎖マーカーAFLP_13の情報を元に、より近傍マーカーの単離を行った。SUI因子はB.rapa A4染色体上のBACクローン(約110kb)上に存在することを明らかにした。さらに遺伝分析から、花粉側一側性不和合性因子(PUI因子)がSUI因子と強く連鎖することが分かり、PUI因子の単離に向けた連鎖マーカーの単離が容易になるものと考える。PUI因子の遺伝様式に関しては、2009年春の交配実験において、配偶体型の遺伝をすることを明らかにした。 低温ストレス耐性・低温不稔遺伝子、110遺伝子群についての染色体上での座上位置を特定し、既存の耐冷性QTLとの比較およびRILを用いた表現型との連鎖解析を行った。ひとめぼれ×ササニシキRIL188系統を19oC圃場で栽培したところ、稔実率は連続的に分離した。選抜した110個の耐冷性関連遺伝子について、データベースを用いて染色体上の座上位置を特定した。多型(SNP)を検出した5個の遺伝子ついては、既存QTLと同じ領域に存在するものやQTLが検出されていない領域など様々な染色体領域に座上していた。これら遺伝子の耐冷性への関与を検討するために、RIL188系統から耐冷性強/弱各16系統を選抜し、これら系統における各遺伝子の遺伝子型を判定したところ、第7染色体に座上する遺伝子は、耐冷性強系統においてすべてひとめぼれ型であった。耐冷性弱系統ではササニシキ型とひとめぼれ型が混在していたことは、これがひとめぼれの持つ耐冷性遺伝子の1つであると考えられた。 葯の発達過程におけるsmall RNAによる遺伝子発現調節機構を解明するために、次世代シーケンサーを用いた花粉発達各ステージ(減数分裂期・四分子期・2細胞性花粉期・3細胞性花粉期)の葯におけるsmall RNAの単離を行った。上記各ステージから60万~200万個の新規small RNA候補を単離し、花粉発達各ステージ薪においてsmall RNAによる遺伝子発現調節機構が機能していることを明らかにした。
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