計画研究
花粉管ガイダンス過程におけるゲノム障壁の鍵因子として、花粉管誘引物質および花粉管に受精能を与えるタンパク質AMORの解析を進めた。助細胞の遺伝子発現プロファイルから解析を進めた。助細胞のcDNAライブラリーを作製し、EST解析を行ったところ、5%もの高頻度で、Low-molecular-weight Cysteine-rich Protein (LCR)ファミリーの1つの遺伝子が見出された。LCRはアブラナの自家不和合性において花粉側リガンドとして働くSPl1など、しばしば細胞間コミュニケーションにおけるリガンドとして働く。RT-PCR解析の結果、この遺伝子(TfLCR1)は、助細胞で特異的に発現していた。SignalPプログラムによりC末端側の70アミノ酸が細胞外に分泌される予測され、花粉管ガイダンス分子の候補と考えられる。現在、独自に開発したレーザーマイクロインジェクターを用いて、モルフォリノアンチセンスオリゴによる発現阻害や、大腸菌で発現させたTfLCR1の花粉管誘引能のin vitroアッセイなどを進めている。精製TfLCR1に、これまで報告例がないような強い誘引活性が認められたことから、誘引物質の有力な候補が得られたと考えている。AMORについては、遺伝子同定のための花12万個の試料の回収を達成し、精製の準備を進めた。さらに、重複受精過程を可視化するために精細胞等のマーカーを開発するとともに、ライブイメージングのためのin vitro系ならびにイメージング技術の開発を達成した。
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