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2008 年度 実績報告書

高等植物の胚成熟制御ネットワークの解明

計画研究

研究領域植物の生殖におけるゲノム障壁成果分析
研究課題/領域番号 18075007
研究機関名古屋大学

研究代表者

服部 束穂  名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (10164865)

研究分担者 武田 真  名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 准教授 (00432253)
加賀谷 安章  三重大学, 生命科学研究支援センター, 助教 (20335152)
キーワード遺伝子 / 種子形成 / シロイヌナズナ / 休眠 / 転写因子 / オーキシン / アブシジン酸 / 発芽
研究概要

1. FUS3による胚成長抑制メカニズムの解析
これまでに、FUS3の異所発現による成長停止効果が低下した突然変異体を多数単離した。本年度は、以下のfga変異体3つについても候補遺伝子10個以内に絞り込むまでクローニングを進めた。
line 3-32 : fga2とは逆に胚軸の成長停止は維持されるものの、他の組織の成長停止が緩和される。候補領域には、既存のABA生合成あるいは感受性に関わる遺伝子が含まれないことより、胚軸以外の組織のABA感受性を正に制御する新規の遺伝子であると予想された。
line 2-44 :構成的に成長停止が緩和される。興味深いことにこの変異体はFUS3発現に伴いアントシアニンの蓄積も生じる。やはり、候補領域には既存のABA生合成あるいは感受性に関わる遺伝子が含まれない。
line 4-3 : 構成的に成長停止が緩和される。興味深いことに、この変異体は植物体でも腋芽の休眠性の低下が観察された。したがって、この原因遺伝子は胚の休眠のみならず腋芽の休眠にも必要で、両組織での休眠獲得には共通の制御メカニズムが存在する可能性を示唆する。やはり、候補領域には既存のABA生合成あるいは感受性に関わる遺伝子が含まれない。
2. イネ無胚乳変異体enl1変異体の解析
イネ(Oryza属)の種間交雑ではしばしば胚乳の崩壊と胚の巨大化が観察されるが、無胚乳変異体enl1も類似した表現型を示す。形態観察すると、enl1変異体の胚は、胚の肥大は主に胚盤の異常な細胞増殖が起こるとともに早熟発芽の性質を示した。未熟種子のマイクロアレイ解析を行うと、発芽に関連する遺伝子が異時発現していた。しかし、シロイヌナズナで早熟発芽を示すlec1-b3変異体の場合とは異なり、種子成熟関連遺伝子の発現は正常であった。インディカ系統KasalathとのF2種子を用いて原因遺伝子のマッピングを進め、第4染色体上の約200Kbの領域にまで絞りこんだ。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Arabidopsis NF-YB subunits LEC 1 and LEC 1-LIKE activate transcription by interacting with seed-specific ABRE-binding factors2009

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, A., Kagaya, Y., Toyoshima, R., Kagaya, M., Takeda, S. and Hattori, T.
    • 雑誌名

      Plant J. on-line

      ページ: doi : 10.111 / j. 1365-313 X. 2009. 03817. x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] rabidopsis transcription factors, RAV 1 and RAV 2, are regulatedby touch-related stimuli in a dose-dependent and biphasic manner2009

    • 著者名/発表者名
      Kagaya, Y. and Hattori, T.
    • 雑誌名

      Genes Genet Syst. 84

      ページ: 95-99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アブシジン酸受容体2008

    • 著者名/発表者名
      服部束穂、伴佳典、加賀谷安章、武田真
    • 雑誌名

      植物の生長調節 43

      ページ: 123-134

  • [学会発表] ゲノムメンテナンスとエピジェネティック制御に関与するシロイヌナズナ核内因子BRUSHY 1(BRU1)の機能欠損変異体における遺伝子発現プロファイルの解析2009

    • 著者名/発表者名
      服部束穂、(9名中5番目)武田真(9名中9番目)
    • 学会等名
      日本植物生理学会第50回年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20090321-24
  • [学会発表] FUS3の下流でABA生合成制御に関与する遺伝子の変異体分離と表現型解析2009

    • 著者名/発表者名
      加賀谷安章、皆巳大輔、香村博之、浅野智也、加賀谷道子、佐野順子、服部束穂
    • 学会等名
      日本植物生理学会第50回年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20090300
  • [図書] 種子の科学とバイオテクノロジー(原田久也監修/種子生理化学研究会編集)2009

    • 著者名/発表者名
      服部束穂(分担執筆)
    • 総ページ数
      396
    • 出版者
      学会出版会

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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