研究領域 | タンパク質分解による細胞・個体機能の制御 |
研究課題/領域番号 |
18076003
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杤尾 豪人 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70336593)
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研究分担者 |
栗本 英治 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (90234575)
野田 展生 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (40396297)
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キーワード | ユビキチン / オートファジー / 構造生物学 / 溶液NMR / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
(京大グループ)p62のUBAドメインが溶液中で二量体であること、また、ユビキチンと結合する際には解離し、単量体となることを明らかにした。また、Lys48リンク型のヘキサユビキチンの結晶構造解析に成功した。その他、ヒト由来培養細胞中でのIn-Cell NMR法を開発した。この手法により、細胞内での脱ユビキチン反応やユビキチンとユビキチン結合タンパク質の相互作用がモニターできることを示したほか、同法を応用した細胞内水素交換実験によりユビキチンが細胞内では不安定化されているということを見いだした。 (名市大グループ)20Sプロテアソームを構成するサブユニットのうちα7に着目し、中性子小角散乱測定により溶液中での構造解析を行った。その結果、α7は7個のサブユニットが会合してリングとなり、20Sプロテアソーム中におけるβリングとの相互作用面同士で2つのリングが会合した構造を形成していることが明らかとなった。この他、直鎖型ユビキチン鎖を形成するHOIL-1・HOIP複合体の相互作用ドメインであるHOIL-1(Ub1)およびHOIP(UBA)の共結晶化に成功し、その結晶構造の解析を進めている。 (北大グループ)哺乳類ではユビキチン化された凝集タンパク質は選択的オートファジーにより分解を受ける。また酵母ではある種の液胞酵素は選択的オートファジーにより液胞へと輸送される。2つの経路において、積荷を認識する受容体タンパク質が共通のWXXL配列をもち、その配列を介してオートファゴソーム膜形成因子であるAtg8/LC3により受容体が認識され、オートファゴソームへの取り込みが起こることを構造生物学的に明らかにした。またAtg4BによるLC3の脂質修飾状態の制御機構を構造生物学的に明らかにした。
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