計画研究
(京大グループ)昨年度までに、p62のUBAドメインが溶液中で二量体であること、また、ユビキチンと結合する際には解離し、単量体となることを明らかにしていた。本年度は、p62 UBAのユビキチンとの複合体中での構造決定を、溶液NMR法を用いて行なった。その結果、従来から知られていたUBAドメインのユビキチン結合様式とよく一致していた。また、各種鎖長や異なるリンク型のユビキチン鎖の構造をAFMにより観察し、動的な構造を解析した。(名市大グループ)ユビキチン結合酵素E2であるUbcH5bにユビキチン(Ub)がエステル結合した複合体結晶構造を詳細に解析し、UbcH5bとUbの連結部が転移反応の遷移状態様の構造を形成していること、およびUbcH5bはその連結部位と反対側の分子表面で他のUbを結合することによりらせん状に伸展する複合体を形成することを明らかとした。これよりUbcH5b-Ub複合体は活性部位が連なったらせん状の構造形成により多彩なUb結合反応を触媒するというメカニズムが示唆された。この他、中性子小角散乱によるプロテアソーム構成因子のサブユニット配置解析およびHOIL-1L(Ub1)-HOIP(UBA)の複合体解析のための共結晶化条件の最適化を進めた。(北大グループ)Atg16全長の構造をX線結晶構造解析法により決定した.Atg16は従来4量体を形成すると考えられてきたが,結晶中で平行のコイルドコイルダイマー構造を取っており,溶液中でもダイマーであることが分析超遠心法により明らかとなった.Atg6のC末端ドメインの結晶構造を決定し,これまで報告のない新規ホールドを取ることを明らかにした.
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