計画研究
ユビキチン修飾系は、E1/E2/E3(ユビキチンリガーゼ)の3種の酵素群の働きで、E3が識別する標的タンパク質にユビキチンを結合させることによって、修飾したタンパク質の機能を制御する翻訳後修飾系であり、数多くの生命現象を制御していることが知られている。しかしながら、E3の活性および機能制御メカニズムに関しては未解決な問題点が数多く存在している。本研究では我々が樹立した、精製タンパク質を用いたガン抑制遺伝子産物pVHLを含んだcullin型の多サブユニットRING-E3(CRL)である、VBC-Cu12による低酸素応答性転写因子HIF-2αのユビキチン化反応のin vitro完全再構成系をモデル系としてE3の活性制御機構を解析した。まず、Nedd8修飾系はCRLの活性増強作用することから、HIF-2αのin vitroユビキチン化反応系でそのメカニズムを検索したところ、Cu12のNedd8化は基質に結合するポリユビキチン鎖が伸長することが明らかとなった。さらに、COP9/シグナロソーム(CSN)は脱Nedd8化活性を有する複合体であるが、CRLの活性を増強させることが知られている。そこで、そのメカニズムを検索したところ、CSNはユビキチン化された基質のE3からの解離を促進することで、ユビキチン化されるHIF-2α量の増加させると考えられる結果を得た。そこで、SiRNAでCSN2、CSN5の発現を抑制したHeLa細胞においては対照に比してVBC-Cu12に結合するユビキチン化HIF-αの量が増加したことから、CSNは細胞内においてもユビキチン化された基質とCRLの解離を促進していると考えられ、CSNがユビキチン化された基質タンパク質をCRLから解離させる作用を有することで、CRLを活性化させることが明らかとなった。
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