研究領域 | セルセンサーの分子連関とモーダルシフト |
研究課題/領域番号 |
18077003
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
渡辺 正勝 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (40124226)
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研究分担者 |
伊関 峰生 総合研究大学院大学, 学融合推進センター, 特別研究員 (60414009)
小川 和男 自然科学研究機構, 岡崎共通研究アイソトープ実験センター, 准教授 (30132731)
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キーワード | 光生物学 / 光センサー / 細胞行動 / 生体機能利用 / タンパク質 |
研究概要 |
光活性化アデニル酸シクラーゼ(PAC)は、単細胞鞭毛藻ミドリムシの青色光逃避行動の光センサーとして同定されたフラビン蛋白質であり、そのサブユニットであるαとβのそれぞれに、光センサー機能モジュールとしてのフラビン結合ドメインと、アデニル酸シクラーゼ機能モジュールとしての酵素活性ドメインを持ち、それらの相互作用により青色光で活性化されてセカンドメッセンジャーでcAMPを産生する。光センサー機能モジュールへのアプローチとして、βの光サイクルキネティクスの解析により、αとβでは、感度と速度に違いがあることを明らかにした(Itoら)ほか、共焦点レーザー光学系を用いた単一分子の可視蛍光分光分析を液体ヘリウム温度下で行うことに成功し、PACは、光センサー機能モジュール内の水素結合ネットワークが異なる2つの状態があり、これが光スイッチング機構を反映していることが示唆された(東工大松下道雄准教授らと共同、Fujiyoshiら)。さらに、PAC全体の構造については、ミドリムシから精製したPACを用いた電子顕微鏡による単粒子解析を行い、明瞭な四量体構造を明らかにするとともに、各機能モジュールのホモロジーモデリングおよびドッキング解析によって得られたモデルとの高い一致性を示した(大阪大岩崎憲治准教授・アドバンスソフト長谷川浩司博士らと共同、学会発表:宮崎ら)。光センシングに伴って予想されるタンパク質高次構造の変化の検出と解析のために有効な赤外線吸収分光を一分子で可能にする手法を開発し論文報告した(東工大松下道雄准教授らと共同、Fujiyoshiら)。PAC遺伝子のミドリムシ染色体上での局在を蛍光in situ hybridization法により検討した(学会発表:澁澤ら)。
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