研究領域 | セルセンサーの分子連関とモーダルシフト |
研究課題/領域番号 |
18077005
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
槙島 誠 日本大学, 医学部, 教授 (70346146)
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研究分担者 |
山田 幸子 日本大学, 医学部, 客員教授 (10014078)
宇野 茂之 日本大学, 医学部, 講師 (90307851)
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キーワード | 核内受容体 / ダイオキシン受容体 / CYP1 / ビタミンD受容体 / ビタミンD / β-カテニン / LXR / 強心ステロイド |
研究概要 |
代謝環境センサーとして機能する核内受容体のリカンド応答性の分子タイナミズムを、核内受容体の分子内・分子問相互作用や標的遺伝子の発現、さらに他の代謝センサーとの機能連関などを解析することで検討した。 1. 煙草煙や加熱調理食品に含まれるBaPは、ダイオキシン受容体AhR活性化を介して誘導されるCYP1ファミリー「酵素により代謝活性化されることで有害作用を及ぼすと考えられていたが、CYP1ファミリー酵素による代謝により、BaPのAhR活性化作用やDNAアダクト形成が減弱することを見いだした。また、BaPによって活性化したAhRの存在下において、ビタミンD3によるビタミンD代謝酵素CYP24A1の誘導が増強され、ビタミンD3の不活性化が促進することを見いだした。 2. 細胞の増殖やがん化に重要な働きをしているβーカテニンの転写誘導活性を、LXRα/LXRβがリガンド性に制することを見いだした。β-カテニンとLXRα及びLXRが直接結合し合体を形成すること、LXRα/βダブル欠損マウスめhEFを用いた実験により、LXRリガンドによるβ-カテニン標的遺伝子の発現抑制はLXR依存性であることを確認した。 3. Na+, K+-ATPase阻害作用を有する強心ステロイドbufalinとビタミンD3の併用が効果的に分化を誘導する白血病HL60作用において、bufalinがVDRのリガンド依存性核内発現を安定化することを見いだした 4.VDRの1分子内及び他の蛋白との2分子間のモーダルシフトを解析するために、蛍光標識蛋白の作製及び実験条件の検討を進めた。VDRとヘテロ二量体パートナーであるRXRα間め相互作用、及びVDRとコアクチベーターであるSRC-1との間の相互作用は、リガンド依存性FIETにて検出できることを確認した。 なお、細胞の形態を評価するために集細胞遠心装置を購入した。
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