計画研究
細胞は、それを取り巻く環境の変化の中で、その環境情報を他のシグナルに変換し、細胞質・核や周囲の細胞に伝達することによって環境変化にダイナミックに対応している。さらに、細胞で得られた感覚情報は生物個体の生存適応に必要不可欠な個体の感覚情報へと統合される。最近、膜蛋白質のみならず細胞質内の種々の蛋白質も細胞外環境を感知するセンサーの働きをしていることが明らかになり、これまで考えられていたよりもはるかに多くの分子が相互連関し、統合的に機能することにより細胞の感覚情報が形成されることがわかってきた。細胞外環境情報の検出及びシグナル変換に関わる細胞感覚分子群をセルセンサーと総称し、統合的に研究を展開することを目指して「細胞感覚」研究に非常に貢献している研究者が共同研究を行い、また個々の研究を能率よく推進するためのサポートをすることが、本研究の目的である。大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所にソーターを設備備品として設置した。本申請機器により、96ウェルマルチプレートに培養した細胞のイメージ画像を高速で取込み、そのイメージ画像を数値解析することにより、より生体内に近い環境(細胞が接着した状態)での細胞機能解析を、統計的かつ高速に行うことが可能である。本装置を用いて、セルセンサーからのシグナルが細胞内イオン濃度やGタンパク質などの細胞内シグナルに変換されるかについて解析を行うため、現在使用説明を特定領域計画班員および研究員に取り扱い説明のために説明会を開催した。また、遺伝子改変動物作成のために必要消耗品、さらに、センサー分子の生体内での可視化のため、生理学研究所に設置されている多光子励起装置のレーザーの最適化を行った。
すべて 2007 その他
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Journal of Neuroscience 27
ページ: 1692-1701
ページ: 1642-1650
ページ: 1566-1575
Br. J. Pharmacol (In press)