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2006 年度 実績報告書

新規電位センサー蛋白電位依存性ホスファターゼの作動原理と生理機能の解析

計画研究

研究領域セルセンサーの分子連関とモーダルシフト
研究課題/領域番号 18077013
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)

研究代表者

岡村 康司  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (80201987)

研究分担者 東島 眞一  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (80270479)
大河内 善史  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別協力研究員 (90435818)
キーワード酵素 / シグナル伝達 / 生体分子 / 生理学 / 蛋白質
研究概要

電位センサードメインが酵素ドメインと共役する機構を明らかにするため、発現系細胞と2種類のVSP分子を用いて以下の解析を行った。
(1)アフリカツメガエル卵母細胞にPH-ドメインGFPとCi-VSPを共発現させ、膜電位固定下にて共焦点蛍光顕微鏡による蛍光イメージングを行った。脱分極に伴いPLC-delta由来PHドメインGFPのシグナルは減少し、過分極に伴い増加した。またBtk由来PHドメインGFPを用いてPtdIns(3,4,5)P3のイメージングを行った結果、PtdIns(4,5)P2と同様に脱分極に伴い減少し、過分極に伴い増加した。脱分極時でのPtdIns(4,5)P2の減少の程度を確認するため、GIRK2チャネル、IRK1チャネル、KCNQ2/3チャネルをそれぞれCi-VSPと共発現させ電流測定により各イオンチャネルの活性が減衰するキネティクスを計測した。その結果、ゲート電流の移動チャージ量が増え続ける膜電位範囲である110mVまで、電流の減衰速度が加速することがわかり、電位センサーの可動膜電位範囲において酵素活性がチューニングされることを見出した。
(2)ゲート電流が最も大きく発現することがわかっているゼブラフィッシュVSPをtsA201細胞に発現させゲート電流の性質と酵素活性の変化について定量を行った。活性中心のシステインをセリンに置換した変異分子では有意にゲート電流が加速し、ホスファターゼの阻害剤であるバナジン酸でも同様な効果が確認された。この効果は、酵素活性が消失したことで細胞内のホスホイノシチドの環境が変化したためではなかった。実際長い脱分極を与えてPtdIns(4,5)P2のレベルを下げた条件で記録したゲート電流は正常時と変わらなかった。
(3)酵素特性の詳細を明らかにするため、Ci-VSPおよびゼブラフィッシュVSPについて細胞内領域とGSTの融合蛋白を作成し、マラカイトグリーンアッセイとTLCアッセイにより各種ホスホイノシチドを基質として脱リン酸化能を解析した。PtdIns(3,4,5)P3以外にもPtdIns(4,5)P2に対して脱リン酸化能が確認された。現在PTENと比較しつつ、どのアミノ酸部位がVSPの基質特異性を決定しているのかを明らかにしようとしている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Voltage-dependent calcium influx mediates maturation of myofibril arrangement in ascidian larval muscle2007

    • 著者名/発表者名
      Ohtsuka, Y., Okamura, Y
    • 雑誌名

      Developmental Biology 301

      ページ: 1-73

  • [雑誌論文] A voltage sensor-domain protein is a voltage-gated proton channel2006

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, M., Takagi, M., Okamura, Y
    • 雑誌名

      Science 312

      ページ: 589-592

  • [雑誌論文] Ankyrin-G regulates inactivation gating of the neuronal sodium channel, Navl.62006

    • 著者名/発表者名
      Shirahata, E., Iwasaki, H., Takagi, M., Changqing Lin, Vann Bennett, Okamura, Y., Hayasaka, K.
    • 雑誌名

      J Neurophysiol 96

      ページ: 1347-1357

  • [産業財産権] Novel ion channel-like polypeptide and use thereof

    • 発明者名
      岡村康司, 佐藤矩行, 岩崎広英, 村田喜理
    • 権利者名
      京都大学, 自然科学研究機構
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2005/008807

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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