計画研究
前年度明らかにした、酵素ドメインの抑制によりゲート電流の速さが加速する現象に注目し、ゼブラフィッシュ由来VSPについてゲート電流がインターバルの膜電位に依存してどのように変化するかを検討した。その結果、160mV、25msの脱分極ステップによって活性化される電位センサーのOFFゲート電流の戻るキネティクスは、インターバルが200ms程度であるとOFF電流のキネティクスは変化するが、インターバルが10秒以上であるとOFF電流のキネティクスは変化しないことが明らかになった。この変化は、活性中心のシステインC302をセリンに置換した分子では見られない。このことは、電位センサーの活性化によって酵素ドメインが長期に(少なくとも10秒程度持続しうる)安定な活性化された状態をとることを示唆する。また、膜電位センサーモジュールと酵素活性の電位依存性のダイナミックレンジを、PHD-GFPを用いたホスホイノシチドのイメージング実験および、カリウムチャネルをPIP2のセンサーとした電流記録により明らかにした。酵素活性は、電位センサーの動きと単調増加関係にあり、電位センサーとの強い共役が存在することが裏付けられた。このように幅広い電位依存性を電位センサーは有するので、生理的な膜電位範囲において酵素活性を変化させることができる一方で、分子のポテンシャルとしては+100mVを超える非生理的な高電位においても酵素活性をチューニングできる特性をもつことが明らかになった。
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