研究概要 |
酵素活性の膜電位ダイナミックレンジを明らかにするため、アフリカツメガエル卵母細胞を用いてホスホイノシチド感受性蛍光蛋白の光計測と内向き整流性Kチャネルの電流計測を行い、膜電位依存的な酵素活性を計測した。数値シュミレーションを適用し、PIP2のセンサー蛋白の拡散とVSPの発現量による影響を考慮して各膜電位での酵素活性を算出したところ、電位センサーの動く膜電位範囲全体で、酵素活性が変化することを明らかにした(論文改訂中)。また、PI(3,4)P2のセンサーであるTAPP1を用いてPI(3,4,5)P3からの脱リン酸化をモニターし、G365A変異体には、PI(3,4,5)P3から5'位の脱リン酸化活性が残っていることが明らかになった。脊椎動物のVSPの細胞内領域の蛋白を用いて酵素活性の計測を行い、基質特異性をホヤ、ゼブラフィッシュのものと比較した結果、トリ由来のVSPで、PI(4,5)P2と、PI(3,4,5)P3を基質とする酵素活性が保存されていることを確認した。蛋白質研究所、中川敦史教授のグループと共同で、VSPの細胞内領域のX線結晶化を行い、酸化還元による酵素活性の制御を明らかにするとともに、PTENとの基質特異性に関わる新規部位を同定した。
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