計画研究
特定領域研究
本研究は、持続可能な発展の重層的環境ガバナンスに関する基礎理論を構築することを目的にしている。今日の環境問題とそれに対応する環境ガバナンスの様相は、持続可能な発展に向かう上では重層的、相互作用的にならざるを得ないが、従来、持続可能な発展の阻害要因を克服するものとしての環境ガバナンスの位置づけと重層的全体構造の把握は不十分であった。本研究では既往理論の批判的摂取と具体的事例を素材とした実証研究を組み合わせて、持続可能な発展を阻む経済メカニズムの解明、および現代重層的環境ガバナンスの進展に関する到達点の評価と課題抽出を行い、持続可能な発展の重層的環境ガバナンスへの移行戦略を提示する。特に持続可能な発展という総合的な概念を個々の問題や地域において具体的な指針となるよう操作可能性を高めることに留意する。環境問題・環境政策が、グローバル、リージョナル、ナショナル、ローカルといった重層性を伴い、さらに各層間が相互作用関係を伴っていることに着目し、重層的環境ガバナンスの構造を解明する多分野横断研究のための基礎概念や方法論の開拓にも努める。
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公共政策研究 8号
ページ: 6-18
Kyoto Economic Review Vol.76,No.2
ページ: 165-179
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