研究分担者 |
藤川 清史 名古屋大学, 大学院・国際開発研究所, 教授 (60190013)
陳 禮俊 山口大学, 経済学部, 教授 (00314790)
兒山 真也 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (30305677)
楠部 孝誠 石川県立大学, 生物資源環境学部, 助教 (70405067)
竹歳 一紀 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (00242800)
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研究概要 |
平成22年度は,英文出版に向けて下記の4つの方向の研究を進めることを計画していた. (1)東アジアにおける開発圧力への環境保全の統合化に関する研究 (2)東アジアにおいて国際的な環境保全圧力の中で持続可能な生計を確立した事例の検討 (3)東アジアが地域経済統合を進めていくことの環境影響と政策含意の分析 (4)東アジアにおける共通の環境政策を立案・実施に向けたガバナンスの在り方とその課題の検討 (1)に関して,稲田・下田は,統合的環境政策の1つである日本の炭素エネルギー税改革の環境・経済効果のシミュレーション分析を進め,楠部・稲田は,農業・畜産・農産物加工・エネルギー供給の農村総合開発について,中国で地域別の検討を行った.また児山は,自動車走行や燃料消費に対する追加的な課金が困難なケースを想定し,国内交通における排出取引の可能性を検討した.さらに孫は,日本と中国の企業のグリーンサプライチェーンマネジメントの構成要素やその影響要因に関する検討を行った. (2)に関して,陳は,世界銀行が支援した中国の少数民族地域におけるコミュニティベースの環境保全事業とそれに伴う経済機会の損失への対応に関する現地調査を行い,論文執筆のための知見を得た. (3)に関して,竹歳は,東アジアおよび東南アジア地域において貿易自由化が進められた場合の各国および世界全体のCO2排出量の変化を,GTAPモデルを用いて分析した.また藤川は,GTAP-Eモデルを用いて,東アジアの貿易自由化がエネルギー集約財産業の比重やエネルギー価格低下による排出原単位の変化を通じてもたらす環境負荷を分析した.さらに独自に開発した東アジアリンクCGEモデルを用いて,日中の貿易自由化が東アジアの経済および環境分野の産業に与える影響を実証的に明らかにした. (4)に関して,林は,グローバル化が環境保全を推進する条件の検討を行った.また森は,東アジアにおける地域環境協力の生成と衰退に関する検討を行った.
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