環境ガバナンスを支える民主主義の理念と制度の研究

2011 年度 研究成果報告書

• 研究領域: 持続可能な発展の重層的環境ガバナンス
• 研究課題/領域番号: 18078006
• 研究種目: 特定領域研究
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 人文・社会系
• 研究機関: 関西大学 (2008-2011); 京都大学 (2006-2007)
• 研究代表者: 足立 幸男 関西大学, 政策創造学部, 教授 (10091092)
• 研究分担者: 竹下 賢 関西大学, 法務研究科, 教授 (70121887) ; 坪郷 實 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (20118061) ; 松下 和夫 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 教授 (20346034) ; 山谷 清志 同志社大学, 政策学部, 教授 (90230599) ; 長峯 純一 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (80189159) ; 大山 耕輔 慶応義塾大学, 法学部, 教授 (40185400) ; 宇佐美 誠 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (80232809) ; 佐野 亘 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (20310609) ; 高津 融男 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (90405407) ; 窪田 好男 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (60330411) ; 青山 公三 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (60467347) ; 小松崎 俊作 東京大学, 工学系研究科, 特任研究員 (70456143)
• 連携研究者: 飯尾 潤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90241926) ; 立岡 浩 四天王寺大学, 経営学部, 教授 (40301650)
• 研究協力者: 焦 従勉 神戸学院大学, 法学部, 准教授
• 研究期間 (年度): 2006 – 2011
• キーワード: 持続可能な発展 / 環境ガバナンス / 民主主義の理念と制度 / 専門家の役割 / 市民参加の理念と現実

研究概要

環境ガバナンスを支える民主主義の理念と制度について検討をおこない、その結果、以下の点が明らかとなった。第一に、適切な環境ガバナンスを実現するには、将来世代の利害に配慮した民主主義の理念や制度のあり方を生み出す必要がある。第二に、政治的境界と生態系の境界はしばしば一致しないため、そうした状況のもとでも適切な環境ガバナンスが実現されるような制度的工夫(いわゆるガバナンス的なもの)が必要となるとともに、民主主義の理解そのものを変えていく必要があること。第三に、民主主義における専門家の役割を適切に位置づけるためにこそ、討議や熟議の要素を民主主義に取り込む必要があるとともに、そうした方向に向けた、民主主義の理念の再構築が必要であること。第四に、民主主義を通じた意識向上こそが、長い目でみれば、環境ガバナンスを成功させる決定的に重要な要因であること、また同時に、それを支える教育も必要であること。以上が本プロジェクトの研究成果の概要である。

研究成果

• [雑誌論文] ドイツの脱原発・環境戦略 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松下和夫
  • 雑誌名: 季刊現代の理論 巻: 28巻 ページ: 60-73
  • 査読あり
• [雑誌論文] Intergenerational Justice : Rights versus Fairness (2011)
  • 著者名/発表者名: Makoto Usami
  • 雑誌名: Philosophy Study 巻: Vol.1, No.4 ページ: 237-246
  • 査読あり
• [雑誌論文] 東日本大震災が公共政策学に問いかけること (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐野亘
  • 雑誌名: 公共政策研究 巻: 11巻 ページ: 35-47
• [雑誌論文] 政策形成と流域ガバナンスのあり方-Chesapeake Bay ProgramとCALFED Bay-Delta Programからの示唆- (2008)
  • 著者名/発表者名: 長峯純一
  • 雑誌名: 日本公共政策学会2008年度研究大会報告論文集 ページ: 228-237
• [雑誌論文] グローバル・ガヴァナンスとヨーロッパ・ガヴァナンス (2008)
  • 著者名/発表者名: 坪郷實
  • 雑誌名: 社会学年報(東北社会学会) 巻: 37 ページ: 5-16
  • 査読あり
• [学会発表] Democracy in the Transition Management for Sustainable Development (2011)
  • 著者名/発表者名: 足立幸男
  • 学会等名: International Conference for Environmental Governance
  • 発表場所: National Cheng Kung University, Taiwan
  • 年月日: 2011-06-10
• [学会発表] Multi-level Governance in Local Commons (2011)
  • 著者名/発表者名: 高津融男
  • 学会等名: IASC (The International Association for the Study of the Commons )
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2011-05-28
• [学会発表] 日本における行政信頼の2つの要因--世界価値観調査のデータから (2011)
  • 著者名/発表者名: 大山耕輔
  • 学会等名: 日本行政学会
  • 発表場所: 金沢スカイホテル
  • 年月日: 2011-05-22
• [学会発表] 環境ガバナンスと環境政策統合をめぐる最近の動向 (2009)
  • 著者名/発表者名: 松下和夫
  • 学会等名: 流域政策研究フォーラム
  • 発表場所: 滋賀大学大津サテライトプラザ
  • 年月日: 2009-07-31
• [学会発表] 環境ガバナンスと政策づくり-環境目標と環境指標を中心に (2008)
  • 著者名/発表者名: 坪郷實
  • 学会等名: 日本公共政策学会
  • 発表場所: 北九州大学
  • 年月日: 2008-06-15
• [図書] 政策評価 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山谷清志
  • 総ページ数: 60-73
  • 出版者: ミネルヴァ書房
• [図書] 比較環境ガバナンス (2011)
  • 著者名/発表者名: 長峯純一
  • 総ページ数: 270
  • 出版者: ミネルヴァ書房
• [図書] 淀川水系から考える重層的環境ガバナンス-2009年度合同研究会実施報告(文部科学省科学研究費補助金 特定領域研究「環境ガバナンスを支える民主主義の理念と制度」研究班と同「グローバル時代のローカル・コモンズの管理」研究班合同調査報告書) (2010)
  • 著者名/発表者名: 足立幸男
  • 総ページ数: 108
• [図書] 環境ガバナンスの現状と課題-2009年度北九州市・諫早湾干拓事業視察調査報告書(文部科学省科学研究費補助金 特定領域研究「環境ガバナンスを支える民主主義の理念と制度」研究班視察調査報告書) (2010)
  • 著者名/発表者名: 足立幸男
  • 総ページ数: 185
• [図書] 持続可能な未来のための民主主義 (2009)
  • 著者名/発表者名: 足立幸男
  • 総ページ数: 248
  • 出版者: ミネルヴァ書房
• [備考]
  • URL: http://www.sdgovernance.org/outline/index.html