計画研究
ハドロンを構成するクォークは、通常ハドロン内部に閉じ込められ単独では取り出せない。この点においてハドロン層は他の階層とは異なるユニークな量子系と 言える。このような環境では、ハドロンの励起状態エネルギースペクトルや、その崩壊に現れる、内部クラスターの振る舞いが示す特有の信号を高精度でとらえ ることが、内部のクラスター構造を研究するための非常に有効な手法となる。特に、励起ハドロンのエネルギースペクトルからハドロン内に存在する新奇なクラ スター、ダイクォークやハドロン分子の存在、およびその役割に注目が集まっている。我々は、ハドロンを記述する有効自由度を明らかにするための実験的研究をハドロンビームを用いたハドロンスペクトロスコピー実験J-PARC E31/E50 として、また、光子ビームを用いたハドロンスペクトロスコピー実験、LEPS2-Solenoid とLEPS2-BGOegg実験として実施した。J-PARC での実験的研究では、メソンーバリオンの複合系と言えるΛ(1405)の質量極の位置を明らかにする研究成果を公表した。一方、J-PARC E50実験については、ほぼ全ての検出器の製作が完了、最終的なシステム試験に向け準備をつつけたものの、実験施設であるJ-PARCにおいてビームタイムを得ることができず最終試験は完了できなかった。SPring-8/LEPS2実験では、水素標的でのエキゾチックハドロン生成実験を開始、Λ(1405)の光生成実験、およびKaon clusterの一つである K-ppの光生成確認を目的とする重水素標的の実験の準備が整った。J-PARC E31/E50 実験、LEPS2-Solenoid/BGOegg実験ともに、国内、国際学会に積極的に参加、その研究成果を公表し、国内外の関係研究者と議論を行うことができた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 17件) 学会発表 (86件) (うち国際学会 52件、 招待講演 56件) 備考 (5件)
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