計画研究
本研究は、スーパーコンピュータ等を用いた分子動力学(MD)シミュレーションとNMR実験を活用し、理論・計測の統合によって発動分子の構造ダイナミクスと機能発現を結びつけ、新規機能獲得に向けた合理的分子設計法を確立することを目的としている。具体的な標的として、TrkAd5という生体発動分子を選択し、MD計算とNMR実験の双方からの研究を推進している。2022年度には、TrkAd5を制御する結合ペプチド(TP1)とTrkAd5の複合体についての論文の投稿に至った。次に、A01班と連携し、人工発動分子イオンチャネルのQM/MM-MD研究を実施した。その結果、人工発動分子イオンチャネルのフッ素原子とカリウムイオンの相互作用が、イオンチャネルの選択性に寄与しているということが明らかになった。この結果は、アメリカ化学会のJ. Am. Chem. Soc.に論文として発表できた。さらに、QM/MMを用い、イオンが通るときの自由エネルギープロファイルを計算することに成功した。また、C01班、A01班との連携研究により、好熱細菌由来ロドプシンを対象としたNMR解析、特に交換性水素に着目した解析を進めることで、活性部位において機能上重要な水素結合部位を同定できた。さらに、光照射NMR実験により、光反応後期中間体を検出するとともに、後期中間体における水素結合様式の変化、およびその機能的重要性を明らかにした。本成果は現在論文投稿中。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件)
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