研究領域 | 都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究 |
研究課題/領域番号 |
18H05448
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
守川 知子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00431297)
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研究分担者 |
中町 信孝 甲南大学, 文学部, 教授 (70465384)
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60201935)
山口 昭彦 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (50302831)
深見 奈緒子 国士舘大学, 付置研究所, 研究員 (70424223)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | 都市 / 西アジア / イスラーム / ネットワーク / 文明 / 多様性 / 都市社会 / 地理空間情報 |
研究実績の概要 |
2年目となる2019年度は、エジプトやイランなどでの海外調査とともに、比較的大規模な国際研究集会を精力的に開催することで、中世から近代の西アジア都市にかかる意見交換に努めた。 2019年8月24日・26日には国際研究集会“Network and Urban Landscape in Historical Perspective”をエジプトのカイロ・アメリカン大学およびアレクサンドリア図書館で行い、エジプト人研究者7名と、本科研メンバーの守川・深見・中町・山口・稲葉、公募研究者の阿部尚史氏、および吉村武典氏の6名が参加し、“Focusing on Urban Network”および“Focusing on Urban Structure”の観点からエジプトの都市や他の西アジアの歴史都市について報告を行った。同研究集会では、建築史、近世史、都市史、コプト研究などを専門とするエジプトの研究者らと活発に議論し、また研究集会前後には、カイロやアレクサンドリアなどエジプトを代表する都市を巡検し、東地中海海域世界やナイル・デルタの「都市」について知見を深めた。 2019年10月27日には東京大学で、トルコのガズィアンテプ(アインターブ)やアフガニスタンのヘラートといった“辺境”“境域”にある都市に関する研究会を開催し、地域の中核となる都市の立地や境域性について討論した。 さらに、2020年2月19日には東京大学で国際研究集会“Sasanian Cities”を行い、3名の外国人研究者と3名の日本人研究者の報告を中心に、サーサーン朝期の都市の特徴と、サーサーン朝以前のパルティア時代および後のイスラーム時代へとつながる都市の「基層」や連続性について活発な意見交換を行った。あわせて2月21日には京都大学で2名の外国人研究者による特別講演会“Rediscovering the Iranian Antiquity: Recent Archaeological and Epigraphical Researches on the Sasanian Sites”を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度の途中まではきわめて順調に進んでいたが、新型コロナウイルス感染症拡大のために、2月~3月に予定していた海外での資料調査やフィールド調査が困難となった。そのため、成果取りまとめのための会議が開催できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症により、海外渡航や海外からの研究者の招聘が困難となったため、これまでに収集した資料をもとに分析・検討していかざるを得ない。また、その際の意見交換等については、オンライン会議にて可能な限り補っていく予定である。
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