研究分担者 |
和田 武 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10431602)
武藤 浩行 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20293756)
武藤 泉 東北大学, 工学研究科, 教授 (20400278)
佐々木 拓也 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70815787)
ガイダ ニコアレキサンダー 名古屋大学, 工学研究科, 特任助教 (70837559)
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研究実績の概要 |
(1)HE合金ナノ多孔・複合化:金属溶湯脱成分(LMD)によるHEAヘテロ複合材料作製のモデル実験としてFe-Cr-Ni合金をMg溶湯に浸漬し(Fe,Cr)合金相とMg相から成るヘテロ複合材料を作製した。このヘテロ複合材料は降伏応力192MPa、伸び15.0%を呈することを明らかにした。 (2)HE耐食合金設計:CoCrFeMnNi合金では(Mn,Cr)O2介在物外周に存在するMnSを起点として孔食が生じることを見出し、MnS除去と不働態化処理によって耐食性が向上した。またCu含有HEAではCu濃度に依存して活性溶解の電流値が低下し、Cu添加による耐食性向上に成功した。 (3)HEセラミックスの超高圧合成:アンモニウム塩を用いた多成分窒化物合成を試みた。Zr-Mo-NH4ClとZr-Nb-Mo-NH4Clを高温高圧処理するとNaCl型の多成分窒化物が生成した。二次電池応用が期待されるLiやNaを含むHE酸化物合成にも取り組んだ。MO(M:Co,Cu,Ni,Mn,Fe,Zn,Mg),Li2O,LiF,NaClを混合して5GPa、1000℃で保持し、NaCl型のLi(MO)Fの合成に成功した。 (4)HEセラミックスの新規ヘテロ構造化:NiO,Cr2O3,MnO,Co3O4,Fe2O3の5元系複合顆粒の作製技術を開発した。NiOの電荷密度を高めておき、Cr3O4,MnOを混合した際に等電位点となるように調整し、Co3O4,Fe3O4をそれぞれ正負に調整すると5成分がヘテロ凝集した複合顆粒作製に成功した。 (5)HE合金のバルク金属ガラス化:(Zr,Hf)-Al-(Cu,Ag,Ni)の組成式で示される3~6元合金のガラス形成能(GFA)を調査し多元化の効果を検討した。その結果、GFAは成分数増加に伴って単調に上昇するわけではなく、多元化に用いる元素の特性に強く依存していることが分かった。
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