計画研究
負ミュオンによる非破壊分析実験を進めるにあたって、三次元の元素分析システムの開発とそれを用いた文化財研究を行った。さらにこれまで開発した微少試料分析の測定システムを用いた小惑星リュウグウの試料分析の詳細な解析を進めた。ミュオン実験はJ-PARCおけるS型実験課題(2019MS01)として実施した。これらの研究は、領域内の他の研究グループ、特にA01班、C01班、C02班とは強力な協力関係を構築することで推進した。三次元元素分析システムの開発においては、2021年度まで開発を進めていたCdTeイメージング検出器について、4台をミュオン実験で利用するための専用実験システムとして整備し、各種試験を行った。このシステムは、検出器を回転させることにより複数角度での二次元像を取得し、それを組み合わせることで三次元的が元素分布を再構成するものである。バックグラウンドの評価のためのミュオンビーム実験を行った後、その結果のフィードバックによる実験システムの改良を行い、2023年1月に文化財への適用実験を行った。江戸期に実際に使用されていたるつぼについて、分析を行い、主要成分であるSiO2の三次元の元素分布を取得した。2021年度実施した、小惑星リュウグウの石の分析結果の解析を進めた。具体的にはモンテカルロ計算によるシミュレーションと、宇宙観測で利用される解析手法を適用した。これにより、小惑星リュウグウは地球上で手に入る最も始源的な物質である炭素質隕石(CI)と比べて明確に酸素濃度が低く、CIが地球物質の汚染を受けていることを示唆する結果が得られた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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