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2020 年度 実績報告書

弾性連続体の動的ふるまいの解明とバイオメカニクス融合

計画研究

研究領域ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合
研究課題/領域番号 18H05466
研究機関東京大学

研究代表者

新山 龍馬  東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (00734592)

研究分担者 望山 洋  筑波大学, システム情報系, 教授 (40303333)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2023-03-31
キーワードソフトロボティクス / 生物規範型ロボット / 動物解剖学 / 筋骨格系
研究実績の概要

本研究では、動物の脊柱に見られるしなやかな弾性連続体の役割に注目し、ロボティクスの観点から人工的な脊柱の設計と制御の枠組みを構築することを目指す。生物の身体とその運動原理に迫る学際的なアプローチをとる。ロボットの身体に超多自由度の構造を新たに導入することは、俊敏さと巧みさを備えたしなやかなロボットの実現につながる。

2020年度は、ダチョウの首の解剖学的構造に基づいた冗長多関節ロボットマニピュレータを用いた実験を行った。関節数に比較してごく少数のワイヤによって先端を持ち上げるなどの動作が行えることを示した。また、様々な動作を行っている時のワイヤ張力を計測した。ワイヤの駆動方法は、人間が操作するレバーによる探索的な駆動と、モータとリール装置による制御のそれぞれを行った。また、ダチョウ首の構造についても、追加で解剖を行い、より詳細な筋肉の付着位置等を記述した。背側・腹側の主要な筋肉に注目し、腹側の筋肉については、背側に比べて筋繊維の走行が複雑であるため、これを重点的に観察した。制御の観点からは、発見的に得たワイヤ張力の時系列をモータ駆動によって再現することのほか、強化学習を用いた運動学習を行った。一般に強化学習では多数の試行回数が求められるが、シミュレーションで手法の検討を行い、サンプリング効率を改善する工夫を行うことで、実物の連続ロボットアームにおいてもゼロからリーチング動作の学習が可能であることを示した。この他、キリンの首の解剖学的構造に基づいたより大型の機構の改良も行い、報告した。また、筋肉の拮抗駆動による素早い動作の実現に関する基礎実験を行い、報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目標に含まれるバイオメカニクス融合が、解剖学的観察とそのロボット機構への実装の相互の取り組みによって進展した。ロボットによる実験から、解剖で重点的に調べたい部位を絞ることができた。また、生体の観察や、ロボットの試作では困難または時間がかかる仮説検証について、3Dモデルを取り込んだロボットシミュレータを利用できる基盤を整えた。連続弾性体のロボットへの実装が実現しつつある。

今後の研究の推進方策

連続弾性体を組み込んだロボットマニピュレータによる様々な動作の実現に向けて、シミュレーションでの仮説検証の後、駆動系の改善を行う。大学の入構制限等によって実験が困難な時期においては、シミュレーション実験やデータ解析等を進める。冗長多関節マニピュレータの実証実験にあたっては、車輪型や脚型のプラットフォームを土台として、移動を伴うタスクの実現を目指す。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Soft Inductive Tactile Sensor Using Flow-Channel Enclosing Liquid Metal2020

    • 著者名/発表者名
      Shota Hamaguchi, Takumi Kawasetsu, Takato Horii, Hisashi Ishihara, Ryuma Niiyama, Koh Hosoda, and Minoru Asada
    • 雑誌名

      IEEE Robotics and Automation Letters

      巻: 5(3) ページ: 4028-4034

    • DOI

      10.1109/LRA.2020.2985573

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] An Untethered 216-mg Insect-Sized Jumping Robot with Wireless Power Transmission2020

    • 著者名/発表者名
      Riccy Kurniawan, Tamaki Fukudome, Hao Qiu, Makoto Takamiya, Yoshihiro Kawahara, Jinkyu Yang, Ryuma Niiyama
    • 学会等名
      IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS)
    • 国際学会
  • [学会発表] キリンの首の解剖学知見に基づく筋骨格ロボットの試作と頸長筋の静力学解析2020

    • 著者名/発表者名
      新倉敦彦, 難波江裕之, 遠藤玄, 郡司芽久, 森健人, 新山 龍馬, 鈴森 康一
    • 学会等名
      第21回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI)
  • [学会発表] 拮抗駆動式2リンク跳躍ロボットの跳躍シミュレーション2020

    • 著者名/発表者名
      松野孝博, 新山龍馬, 平井慎一
    • 学会等名
      第38回日本ロボット学会学術講演会(RSJ)
  • [学会発表] ダチョウ首のしなやかさを解明するプラットフォームの開発2020

    • 著者名/発表者名
      翠健仁, 遠藤勇輔, 安藤潤人, 郡司芽久, 池田昌弘, 柯強, 新山龍馬, 望山洋
    • 学会等名
      第38回日本ロボット学会学術講演会(RSJ)
  • [学会発表] 運動プリミティブを用いた強化学習による空気圧連続アームの投擲運動2020

    • 著者名/発表者名
      森本亮太, 西川鋭, 新山龍馬, 國吉康夫
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会(Robomech)
  • [学会発表] キリンの首の解剖学知見に基づく筋骨格ロボットの試作と動作試験2020

    • 著者名/発表者名
      新倉敦彦, 難波江裕之, 遠藤玄, 郡司芽久, 森健人, 新山龍馬, 鈴森康一
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会(Robomech)

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公開日: 2021-12-27  

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