研究領域 | 植物の力学的最適化戦略に基づくサステナブル構造システムの基盤創成 |
研究課題/領域番号 |
18H05494
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五十嵐 圭日子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80345181)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | セルラーゼ / セルロース / 植物細胞壁 / ガラクタン / キシラン / シミュレーション |
研究成果の概要 |
本研究では(Ⅰ)セロデキストリンホスホリラーゼを利用した、セルロース結晶形成プロセスの解明、(Ⅱ)シミュレーションによる結晶性セルロース分解機構の解明、(Ⅲ)プロセッシビティの進化、(Ⅳ)植物細胞壁分解酵素の構造機能相関、(Ⅴ)セルロース分解機構の解明を目指した。(Ⅰ)ではセルロースの微小重力下での合成に世界ではじめて成功した。(Ⅱ)ではセルロース結合性ドメインの大きさが活性に重要であることを示した。(Ⅲ)ではプロセッシブセルラーゼが収斂進化したことを示し、(Ⅳ)では、ガラクタンおよびキシラン分解酵素の構造機能相関を示した。そして(Ⅴ)では70年に及ぶセルロース分解の議論に終止符を打った。
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自由記述の分野 |
バイオマス生物工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、植物細胞壁構成成分同士または構成成分と分解酵素の分子間相互作用に関する情報を多角的に集め、植物構造ユニットの力学的最適化戦略にせまることができた。in vitroでの実験によって、植物細胞壁の観測では得ることが出来ない様々な分子、化学レベルでの知見を得る事ができた。植物細胞壁を分解、変化させる酵素の機能解析は多様な構成成分、分子が関わる植物細胞壁の力学的変化を起こすメカニズムを紐解く一助となった。これ結果から、酵素を用いたin vitroでの植物細胞壁の再現による新規材料の創生や、木質バイオマスの効率的分解機構の解明とそれによるサスティナブル社会の実現につながる事が期待される。
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