研究実績の概要 |
1. 標識導入可能なユビキチンの作成…ユビキチンコードデコーダーなどのユビキチン結合タンパク質を捕捉することを目指して、光親和性標識などの標識が表出する各種ユビキチン(L8C、V70C、L73C、+C77)の合成を行った。 2. 安定同位体標識GG分岐ユビキチンの合成…ユビキチンコードの定量解析のための安定同位体標識GG分岐ユビキチンの合成を行った。特に、我々は、存在の可能性が高いユビキチン鎖を対象に、その分解生成物である各種のGlyGly転移ユビキチンおよび安定同位体で標識した各種のGlyGly転移ユビキチンを合成した。なお、安定同位体標識のためにL-Valine, 13C5, 15Nを用いることによって、+6 mass×3カ所=+18 massを実現した。合成した(GG分岐)ユビキチンは、Ub1-74、Ub1-74+GGM1、Ub1-74+GGK11、Ub1-74+GGK48、Ub1-74+GGK63、Ub1-74+GGM1+GGK63、Ub1-74+GGK11+GGK48、Ub1-74+GGK11+GGK63、Ub1-74+GGK48+GGK63であり、各々標識と非標識を合成した。 3. 光脱離基修飾ユビキチンユニットの合成…計画的にユビキチン鎖伸長を行うことを目指して、段階的にユビキチンを伸長することを可能にする光脱離基修飾ユビキチンユニットの合成を行った。まずK48鎖を作製するために、K48鎖を精製するユビキチンリガーゼと、K48の側鎖を光脱離基Nvocで保護したユビキチン、伸長の起点になるユビキチンを作製した。伸長起点ユビキチンとリガーゼを混合し、そこへNvocユビキチンを加えた。この混合物へ紫外光を照射することによって、K48ユビキチン鎖の伸長が生じた。 他にも、H2AK119ubの合成や核酸-ユビキチンキメラの合成を行い、標的の分子を得ることができた。
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