我々は、重合に用いるリジン残基に光分解性の保護基を持つユビキチン誘導体を設計した。このユビキチン誘導体を用いて、酵素による伸長と光による保護基の脱保護を繰り返すことにより、ユビキチンの長さと分岐位置を制御することができた。分岐位置の制御は中間体を分離することなく達成され、K63トリユビキチン鎖や分岐位置を規定したK63/K48異型テトラユビキチン鎖のワンポット合成を可能にした。本研究により、分岐構造が規定された長鎖ポリユビキチン鎖を効率的に構築するための化学的プラットフォームが得られ、これまで見過ごされてきたヘテロ型鎖の機能と構造の本質的な関係の解明が容易になると考えられる。
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