計画研究
計画研究A01班は、5年間で日本列島の50地域から各地最低50名のDNAを収集し、ゲノム解析をおこなう予定だが、初年度の2018年に、すでに沖縄で10地域(久米島、宮古島、石垣島、与那国島、波照間島、沖縄本島南部など;研究分担者の松波雅俊が所属する琉球大学医学部のコホートプロジェクトの協力を得た)、九州で2地域(南薩摩、五島列島)、その他で1地域(出雲)のDNAを収集して、ゲノム解析を進めている。五島列島のサンプルは、長崎大学医学部のコホートプロジェクトの協力を得た。特に、すでに全ゲノム規模SNPタイピングを終えている出雲と南薩摩については、本研究費と他の研究費をあわせて、60個体について全ゲノムデータを決定した。2019年度に解析を進める予定である。現代ヤポネシア人の地域的なゲノム多様性を調べるために、以下の地域を訪問し、DNAサンプル収集の準備をおこなった:五島列島 (6月)、対馬 (9月、12月)、呉市 (12月)、松江市 (12月、3月)、福井市 (12月、3月末)、石垣島と与那国島 (2月)、鳥取市 (3月)、隠岐島後 (3月)。このほか、井ノ上逸郎らのグループがHLAに関する大規模解析のコンソーシアムに参加し、論文をすでに発表した。また吉浦孝一郎らのグループが両親と子供のトリオについて全ゲノム配列を決定し、突然変異率を推定した論文を発表した。なお、研究班会議を、2018年9月に長崎大学にて開催した。
1: 当初の計画以上に進展している
研究実績の概要で記したように、すでに13地域からDNAサンプルを収集した。また、現代ヤポネシア人の地域的なゲノム多様性を調べるために、以下の地域を訪問し、DNAサンプル収集の準備をおこなった:五島列島 (6月)、対馬 (9月、12月)、呉市 (12月)、松江市 (12月、3月)、福井市 (12月、3月末)、石垣島と与那国島 (2月)、鳥取市 (3月)、隠岐島後 (3月)。どちらについても、当初の計画以上に進展している。B03班の河合洋介研究分担者と協力して、河合のデザインしたジャポニカアレイでタイピングされたデータについて、10地域近い集団の比較を進めている。これも当初の計画以上に進展している研究状況である。
昨年度に策定した予定通り、現代人DNAのサンプリングを進める。2019年度から参加する公募研究のA04班のいくつかのグループとも共同でさらにDNA情報の収集をおこなう。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件)
Anthropological Science
巻: 127 ページ: 印刷中
To be published
Nature Genetics
巻: 51 ページ: 470-480
doi.org/10.1038/s41588-018-0336-0
Zoological Science
巻: 36 ページ: 23-30
doi.org/10.2108/zs180081
Journal of Human Genetics
巻: 63 ページ: 357-363
doi: 10.1038/s10038-017-0392-9