計画研究
純水期の全データ(1996年4月~2020年7月、6511日)について、有効体積をこれまでより20%拡張した事象再構成ソフトウェアを用いた大気ニュートリノ振動解析を完了、結果をNeutrino 2022 国際会議で発表した。現在は論文を準備中である。この解析では、中性子同定の結果を用いた他、複数リング事象弁別に新たな手法を用いた。さらに様々な系統誤差についてより詳細な考察を加え、その精度を高めている。最終結果は、ニュートリノの質量階層性については順階層(電子ニュートリノが一番軽い)を好む結果となったが、χ二乗の差は5.6程度と、まだ確実な結論を出すには至っていない。また、T2K実験が公表している結果を入力として解析を行った場合、CPパラメータ(δ_CP)は-π/2程度が好まれる結果となり、T2K実験単独の解析結果を支持するものであった。陽子崩壊探索については、陽子がμ^+とK^0に崩壊するモードについて、1996年から2018年の間に取得した0.37Mton分のデータを解析した。今回も事象数超過は観測されず、3.6x10^33年という寿命の下限をつけた。これまで開発していたラドン除去用真空脱気膜についても完成し、スーパーカミオカンデに導入を完了、背景事象のさらなる低減が可能となった。スーパーカミオカンデ、T2Kならびにハイパーカミオカンデは、時刻同期のためGPS衛星を用いる受信機を利用しているが、近年の高精度な衛星を用いるGNSS受信機を導入し、その精度検証を行った。これにより、スーパーカミオカンデならびにT2Kでの時刻精度の向上が可能となる。ハイパーカミオカンデ用の光電子増倍管については、納入された全PMTについて、その性能を順次試験するシステムを完成した。ハイパーカミオカンデの電子回路について要求仕様以上の性能を持つものを開発、性能の検証も完了した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (42件) (うち国際学会 20件、 招待講演 22件) 備考 (2件)
Physical Review Letters
巻: 130 ページ: -
10.1103/PhysRevLett.130.031802
Journal of Instrumentation
巻: 17 ページ: P10029~P10029
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Physical Review D
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巻: 938 ページ: 35~35
10.3847/1538-4357/ac8f41
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https://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/
https://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/hk/