計画研究
次期大型検出器のガス容器から電気信号を取り出す特殊な構造の気密フィードスルーを開発し、それを実装可能なポートを搭載した1000Lガス容器の蓋を製作した。TPCの大型化に対応するため、電離電子を検出する際に用いる光検出素子からの信号を読み出す回路の実装密度を、より多チャンネルのOPアンプ素子を用いるなどして、ボード当たり54チャンネルから64チャンネルへ高めたディジタイザーボードの設計・製作を行った。性能においても、初段の増幅回路をトランスインピーダンスに変更することで、大きな信号に対して光検出素子の実効的バイアス電圧が下がる効果を軽減することに成功した。また、電力消費の観点で用いられている素子の照査を行い、電力消費量を減らしている。ガス容器内で高電圧を発生させるコッククロフトウオルトン(CW)型高電圧発生装置の高電圧化を進めた。フレキシブルプリント基板上にCW回路を実装した後にシリコンワニスでコーティングを行うことで、耐電圧を高めることに成功した。また、CWの駆動電源として、市販のオーディオアンプとトランスを用いて大電力電源を製作した。これらの工夫により、次期検出器に必要な70キロボルト以上の電圧を発生させることに成功した。さらに、CW回路を用いて現検出器でデータを取得してTPCとして高い性能を得られることを実証した。これは、世界発の例である。TPCの飛跡パターンの機械学習による事象識別において、閾値の最適化を行い、ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索の感度を見積もった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 8件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
Progress of Theoretical and Experimental Physics
巻: 2024 ページ: -
10.1093/ptep/ptad146
https://www-he.scphys.kyoto-u.ac.jp/research/Neutrino/AXEL/index.html