本研究は、高インテグリティを実現するin vitro卵子産生系の開発を目指した。in vitroではエストロジェンシグナルの過度な活性化により、AMHの早期発現が生じ、卵胞形成不全になることがわかった。一方、胎仔肝臓より分泌されるAFPを培地に添加するとエストロジェンシグナルが抑制され、卵胞形成が正常に進むことが示された。さらに、卵胞培養時の酸素分圧を20から7%まで低下させることで、卵母細胞では脂質代謝異常の改善、ミトコンドリア活性の回復および発生能改善が認められた。改良したin vitro系と遺伝子導入法を併用した結果、卵子形成過程で働く遺伝子の機能解析ツールとして有効なことが示された。
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