研究実績の概要 |
研究 1 ラット多能性幹細胞からの in vitro PGC 誘導 ラット多能性幹細胞を起点とした in vitro PGC 誘導法の開発に成功した。スフェロイド形成を介したエピブラスト様細胞の誘導が可能になり、その段階を経て BMP4 を含むサイトカインで刺激したところ、PGC 特異的なレポーターである Nanos3-tdTomato を指標としたとき約 20-30% の効率で PGC 様細胞の誘導が可能になった。それらは生殖腺体細胞との共培養により in vitro で性分化前の時期に相当する PGC に成熟できた。またそれら PGC 様細胞を生殖細胞欠損ラット (Kobayashi et al., Development (2020), Kobayashi et al., Nat Commun (2021)) の新生児精巣に移植することで、精子に分化することも確認できた。PGC 様細胞由来の精子はラット未受精卵への授精により産仔の作出へ貢献することができた 。
研究2 ウサギ多能性幹細胞からの in vitro PGC 誘導 前年度までに進めてきたウサギ初期胚における PGC の出現過程の解析を元に、ウサギ多能性幹細胞を起点とした in vitro PGC 誘導法の開発に成功した。ウサギ多能性幹細胞から胚様体を作製し BMP4 で刺激することで、ラット同様に NANOS3-tdTomato を指標としたとき約 20-40% の効率で PGC 様細胞の誘導が可能になった。ウサギ胚由来の PGC と single cell RNA-seq によってその遺伝子発現プロファイルを比較したところ、両者は極めて近い特徴を示した (Kobayashi et al., Cell Reports (2021))。
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