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2020 年度 実績報告書

生殖細胞発生過程における選択機構の解明

計画研究

研究領域配偶子インテグリティの構築
研究課題/領域番号 18H05552
研究機関筑波大学

研究代表者

小林 悟  筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (90225508)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2023-03-31
キーワードショウジョウバエ / 配偶子 / 始原生殖細胞 / 品質管理 / 選択機構
研究実績の概要

2020年度は以下の研究成果を得た。
ゲノムに損傷のある生殖系列の細胞を排除する品質管理機構の存在を示す研究を論文を発表したが、その品質管理機構に関わる遺伝子の探索を行なってきた。しかし、この研究は今だ継続中である。また、single cell RNA sequencing (scRNA-seq) の実験を開始し、始原生殖細胞(PGC)間のヘテロジェナイティを明らかにする研究を開始したが、コロナ禍による外出制限により企業からの説明者が来学できなくなり、実験が大幅に遅れ、現在も解析中である。
生殖系列の発生が異常となった場合に排除される機構を知るためには、生殖系列が正常に発生するための機構を知ることが重要と考えている。そこで、生殖系列の発生を正常に進行させるための機構を明らかにし、以下の成果を得た。ショウジョウバエの形成直後の始原生殖細胞は、核小体を持たないことが古くから知られていたが、その生物学的な意義は不明であった。核小体は、リボソーム産成の場であることから、リボソームRNAをコードする遺伝子座に注目して解析を行ったところ、この遺伝子座に存在し、リボソームとともに転写されると考えられるマイクロRNA (miR-10404)をコードする遺伝子を見い出した。このmiR10404は、細胞周期のG1/Sの進行を抑制する分子の合成を阻害している。PGCは、Nanosタンパク質によりG2/Mの進行が抑制されていることが報告されていたが、Nanosとともに、miR10404によってもPGCの細胞周期の進行が強固に停止させられていることが明らかとなった。これは、PGCが取り込んだ母性因子の濃度を低下させないための機構と予想できる。この成果を論文として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ計画通りに、研究成果が得られ、論文として発表することができた。

今後の研究の推進方策

計画の変更などはない。始原生殖細胞のヘテロジェナイティを明らかにする研究を推進するととtもに、PGCが正常に発生するために必要なメカニズムを明らかにしていく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Repression of G1/S Transition by Transient Inhibition of miR-10404 Expression in Drosophila Primordial Germ Cells2020

    • 著者名/発表者名
      Morita Shumpei、Ota Ryoma、Hayashi Makoto、Kobayashi Satoru
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 23 ページ: 100950~100950

    • DOI

      10.1016/j.isci.2020.100950

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Myc plays an important role in Drosophila P-M hybrid dysgenesis to eliminate germline cells with genetic damage2020

    • 著者名/発表者名
      Ota Ryoma、Kobayashi Satoru
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 3 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1038/s42003-020-0923-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ショウジョウバエ生殖細胞形成過程における母性Ovoタンパク質下流遺伝子の解析2020

    • 著者名/発表者名
      古賀結花 林誠 小林悟
    • 学会等名
      日本動物学会第91回大会
  • [学会発表] ショウジョウバエ生殖系列におけるX染色体の数に依存した自律的な性決定機構2020

    • 著者名/発表者名
      太田 龍馬・林 誠・森田 俊平・小林 悟
    • 学会等名
      日本動物学会第91回大会
  • [学会発表] ショウジョウバエ系統の凍結保存技術の実用化に向けて2020

    • 著者名/発表者名
      浅岡美穂, 西村香里, 酒巻由梨奈, 福元達也, 田中大介, 高野敏行, 小林悟
    • 学会等名
      Cryopreservation Conference 2020
  • [備考] 筑波大学TARAセンター小林プロジェクト

    • URL

      http://skob.tara.tsukuba.ac.jp/Top/index.html

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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