計画研究
H22年度には3つの主要テーマのそれぞれについて、以下の成果が得られた。(1)認知・信念システムの文化差に関する研究これまでの文化比較で用いられてきた相互独立・協調尺度が、実はそれぞれ関与的(engaging)と脱関与的(disengaging)の2側面に分かれることを示し、日米の文化差が関与的独立性と脱関与的協調性には見られるが、脱関与的独立性と関与的協調性には見られないことを示唆する研究結果を得た。(2)集団行動の適応的基盤に関する研究囚人のジレンマゲーム、社会的ジレンマゲーム、最後通牒ゲーム、信頼ゲーム、独裁者ゲーム、独裁者選択ゲームなどを同一参加者に対して実施する研究を継続し、これらのゲーム間の関連性を明らかにした。具体的には、協力、信頼、公平性にかかわるゲーム行動間には強い相関が見られ、それらがすべて「裏切り回避」傾向と強く結びつく一方、最後通告ゲームにおける不公平回避行動は、その他のゲームでの協力、信頼、あるいは公平行動と全く関連しないことを明らかにした。(3)社会行動の制度的基盤に関する研究21年度までの研究では、文化特定的行動が他者の行動の予測に基づいて生じていることを示す実験研究を実施してきたが、22年度はこの観点を更に進めて、そうした行動を取る人間あるいはとらない人間に対する評価ないし対応行動そのものが、他者からの評価ないし対応行動となっていることを示す研究を行い、そうした評価ないし対応行動の再帰性が、特定の文化とくて気的行動を自己維持させるよう機能することを明らかにした。また、こうした適応行動が生み出す文化差が、ことなる国の間にあるだけではなく、日本国内の地域間にも、都市化の程度の違いに応じるかたちで存在していることを明らかにした。
すべて 2011 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 14件) 学会発表 (14件) 備考 (2件)
Asian Journal of Social Psychology
巻: 14(2) ページ: 140-147
10.1111/j.1467-839X.2010.01337.x
巻: 14 ページ: 159-163
10.1111/j.1467-839X.2010.01339.x
Perceptual and Motor Skills
巻: 112 ページ: 393-400
Journal of Experimental Child Psychology
巻: 105 ページ: 130-137
10.1016/j.jecp.2009.09.005
Evolution and Human Behavior
巻: 31 ページ: 87-94
10.1016/j.evolhumbehav.2009.09.006
Neuroendocrinology Letters
巻: 30 ページ: 496-500
心理学研究
巻: 81 ページ: 139-147
Perspectives on Psychological Science
巻: 5 ページ: 482-493
Advances in Culture and Psychology
巻: 1 ページ: 251-308
Letters on Evolutionary Behavioral Science
巻: 1 ページ: 31-34
巻: 31 ページ: 837-841
巻: 31 ページ: 771-774
巻: 31 ページ: 616-621
Center for txperimental Research in Social Sciences Working Paper Series
巻: 108
Center for Experimental Research in Social Sciences Working Paper Series
巻: 109
巻: 114
巻: 115
巻: 116
社会心理学研究
巻: 25(2) ページ: 113-120
http://ci.nii.ac.jp/els/110007504747.pdf?id=ART0009335410&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1370839434&cp=
http://lynx.let.hokudai.ac.jp/members/yamagishi/
http://lynx.let.hokudai.ac.jp/~shinada/