研究領域 | 実験社会科学 |
研究課題/領域番号 |
19046006
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
亀田 達也 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20214554)
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研究分担者 |
高橋 伸幸 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (80333582)
中丸 麻由子 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 講師 (70324332)
神 信人 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (30296298)
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キーワード | 集団 / 規範 / 感情 / 経験サンプリング / 表情模倣 / 進化ゲーム理論 / 階層 |
研究概要 |
本研究は、(1)社会規範の問題を中心に、人間の社会行動の特性を進化・生態学的な視点から組織的に検討し、(2)領域全体のテーマである実験社会科学の確立に向けて、その堅固な理論的・経験的基盤となり得る人間モデルを提供することを目的とする。近年、人間の社会行動に関する研究は、従来の社会諸科学(心理学・経済学・社会学・人類学など) 内での検討に留まらず、行動生態学・進化生物学・神経科学を初めとする自然科学領域との間に、急速な学問的連携を作りつつある。本研究は、社会規範の形成と維持、互恵性を支えるメカニズムなど、社会科学の根本をなす問題群に、ゲーム理論を軸とする数理モデルと行動・生理実験を組み合わせることでアプローチし、社会システムの成立と制御を下支えしている人間の認知・感情特性群の働きを実証的に明らかにしていく。 本年度は、平成19年度の予備調査を受けて、一般成人を対象に、経験サンプリングと呼ばれるフィールド調査技法を用いて感情の働きと規範維持行動との間の関係についてデータを収集した。予備的な分析の結果から、日常場面での感情の発露パタンと規範維持行動の間に関係があることが認められた。また、「表情模倣」と呼ばれる他者表情に対する自動的模倣の機能について予備的な実験を行った。これらの研究成果については、スタンフォード大学行動科学高等科学研究所において、Rose McDermott教授(同研究所)、Reid Hastie教授(シカゴ大学)、Nathan Berg教授(テキサス大学) らと共に検討し、平成21年度以降の研究計画について共同で議論・立案を行った。
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