研究領域 | ガンマ線バーストで読み解く太古の宇宙・研究の総括 |
研究課題/領域番号 |
19047001
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河合 誠之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80195031)
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研究分担者 |
吉田 篤正 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80240274)
山岡 和貴 青山学院大学, 理工学部, 助教 (00365016)
村上 敏夫 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60092350)
藤本 龍一 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (20280555)
冨田 洋 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 主任開発員 (30399547)
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キーワード | ガンマ線バースト / 天体形成史 / X線天文学 / X線検出器 / γ線天文学 |
研究概要 |
以下に列挙するように、衛星による観測、新ミッション開発、およびGRB観測用新規観測装置開発研究を実施した。 すざく衛星WAM、Swift衛星、HETE-2衛星のデータを用いたGRBプロンプト放射の広帯域スペクトルの時間変動を研究した。HETE-2衛星のデータを用いて変動のエネルギー依存を調べ、多くは発生源の幾何学的形状に起因する相対論的効果であるなど、放射機構に関する新しい知見を得た。また、すざく等のGRB観測データの解析から、放射エネルギーとスペクトルのピークエネルギーの相関に検証をすすめ、宇宙論的距離指標としての有用性を検討した。 ISS搭載全天X線監視装置MAXIの運用を2009年8月より開始し、2年間で約20個のガンマ線バーストを検出し、他の衛星では得られない10keV以下のX線領域のスペクトルを観測し、標準的なシンクロトロン衝撃波放射モデルよりも光球放射モデルにあてはまる例を見いだした。 広帯域ガンマ線バースト位置検出器の開発を進めた。多画素透過型APDアレイとCsI(T1)シンチレータを読み出すために、APD専用の32ch同時読み出しVLSI(VATA462)を開発し、高い性能を達成した。これはガンマ線バースト観測用超小型衛星TSUBAMEに搭載することになった。 広帯域GRB分光観測装置としてLaBr_3(Ce)シンチレーターの開発を進め、10keV~1MeVの広帯域観測が可能であることと放射線耐性を確認した。この成果を踏まえ、ISS搭載CALETに使用を決定した。 X線マイクロカロリメータ分光装置のための2段式断熱消磁冷凍機(ADR)の研究開発を進め、最終的に最低到達温度84mK、100mK(の保持時間7時間以上、温度安定度9μKrmsを実現した。本研究で得られた知見は、2014年打ち上げ予定のASTRO-H衛星の設計製作にも生かすことができた。
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