研究領域 | ガンマ線バーストで読み解く太古の宇宙・研究の総括 |
研究課題/領域番号 |
19047003
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50221825)
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研究分担者 |
吉田 道利 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 準教授 (90270446)
服部 尭 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (40450192)
山田 亨 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90271519)
米徳 大輔 金沢大学, 自然科学研究科, 助教 (40345608)
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キーワード | ガンマ線バースト / 初代星 / 天体形成史 / 重元素進化 / 宇宙再電離 / 光赤外線天文学 |
研究概要 |
本年度は、宇宙科学研究本部1.3m望遠鏡の可視・近赤外線同時観測化のためのダイクロイックミラー導入及び可視撮像観測の多波長化、石垣島1.0m望遠鏡の可視三色カメラの製作、すばる望遠鏡観測装置FOCASの新CCD導入のための準備、同MOIRCS用低分散新グリズムの製作などを主に行った。これは、本課題の目指す、可視と近赤外線での同時撮像観測による遠方ガンマ線バーストの検出及びその追究観測のためのすばる望遠鏡による分光観測にむけての諸観測装置強化の準備過程である。一方、既存望遠鏡などによる、ガンマ線バースト検出やフォロウアップ観測も活発に実施した。研究発表欄にあるように、17ものガンマ線バーストの即時観測結果の報告やフォロウアップ観測の結果を、世界のガンマ線バーストのネットワークに報告を行った。この中でも、我々のグループだけが検出に成功した非常に暗い残光を残したガンマ線バーストは興味深く、その母銀河がかなり赤いことがわかった。これは赤方偏移2-3付近の赤い銀河である可能性が高く、ガンマ線バースト発生環境を探る上で重要な例になる可能性がある。今後の追究観測を検討している。その他にも、赤方偏移2.4のガンマ線バーストの高分散分光観測をすばる望遠鏡を用いて行った。その結果、SNのよいスペクトルが取得でき、現在解析中であるが、高赤方偏移ガンマ線バーストの発生周辺環境の研究に重要な役割を果たすものと期待される。このほか、宇宙初期での星形成やガンマ線バースト母銀河に関連すると考えられる銀河の研究、超新星爆発現象の詳細観測など、本研究課題と深く関連する研究も推進した。
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