計画研究
宇宙最大の爆発現象であるガンマ線バースト(GRB)の起源の総合的な解明に向け、代表者がテレビ会議等を通じて全体の総括を行いながら、各主要分野で以下のような成果をあげることができた。(1) GRBの距離指標 : 以前中村らが発見したGRBの光度とスペクトルの間の相関を用い、遠方宇宙でのダークエネルギーの時間変化に厳しい制限をつけた。また、GRBの時間変動を考慮し、従来より高精度の新たな相関を発見した。これは宇宙論への応用のみならず、放射機構への制限ともなり、解明への重要な試金石である。(2) GRBの親星、母銀河 : 宇宙初期でGRBの親星となりうる低金属度・大質量の星の形成過程を調べた。まず、三次元シミュレーションを用い、宇宙で一番最初の星は超大質量星となることを明確に示した。また、宇宙最初の星が連星となりうるかを調べ、特殊な場合を除き、連星は普遍的に形成されることを明らかにした。(3) 超新星爆発 : 宇宙初期の大質量星が質量降着によって進化してゆく過程を、重力崩壊の段階まで数値計算で調べた結果、太陽質量の1000倍まで成長し、中間質量ブラックホールを形成することがわかった。これは、超巨大質量ブラックホールの種として、また、宇宙初期のGRB源として興味深い。(4) ジェットの伝播 : GRB起源のTeVガンマ線が宇宙背景放射と相互作用して電子陽電子対を生じ、それらがさらに二次的な逆コンプトンGeVガンマ線放射(電子陽電子エコー)を生成することに着目し、この放射の観測を通じて微弱な銀河間磁場を測定できる可能性について、世界で最も定量的で正しい評価を行った。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (23件) (うち査読あり 23件) 学会発表 (15件)
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 394
ページ: 31-34
Astrophysical Journal 673
ページ: 1014-1022
Astrophysical Journal 692
ページ: 1131-1142
Astrophysical Journal Letters 690
ページ: 47-51
Astrophysical Journal 691
ページ: 823-846
ページ: 118-121
The Astrophysical Journal 695
ページ: 574-579
Science 323
ページ: 1688-1693
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 391
ページ: 1-4
Physical Review D 78
ページ: 023005 1-22
Science 319
ページ: 1220-1222
Astrophysical Journal 628
ページ: 1208-1219
ページ: 024004 1-7
Astrophysical Journal Letters 686
ページ: 67-70
Astrophysical Journal Letters 687
ページ: 5-8
Astrophysical Journal Letters 689
ページ: 105-108
Astrophysical Journal 677
ページ: 813-827
Science 321
ページ: 669-671
The Astrophysical Journal 686
ページ: 801-814
Astrophysical Journal 676
ページ: 1123-1129
Physical Review D 77
ページ: 124018 1-12
Astrophysical Journal 679
ページ: 570-586
Astrophysical Journal Letters 681
ページ: 85-88