研究概要 |
1高品位薄膜およびトンネル接合の作製 Co_2MnSi(CMS)/MgO/CoFe接合の下部界面にCoFeを挿入したCMS/CoFe(0.5)/MgO/CoFe接合において,室温で350%,2Kで886%の磁気抵抗比を得た.また,CMS/CoFe(0.5)/MgO/CoFe(0.5)/CMS接合において,室温で245%,2Kで1275%の磁気抵抗比を得た.さらに,理論的にCMS/MgO界面準位を消失させると期待されるCo_2MnAl(CMA)を挿入したところ,トンネルコンダクタンス特性において,ゼロバイアスアノマリーが減少し,界面準位が減少したことが明らかとなった. 2高スピン分極率,低磁気緩和定数ホイスラー薄膜のスピンダイナミクス ポンププローブ法でCo_2Fe_xMn_<1-x>Siホイスラー合金薄膜の緩和過程を詳細に調べた.ダンピング定数はx=0.2-0.4付近で0.006程度の低い値を得た.この結果は強磁性共鳴による結果と一致した.一方,psオーダーにおける減磁時間はいずれの試料においても0.2ps程度であり,スピン分極率との関係は不明な点が残されており,更なる実験が必要である. 3ホットエレクトロンの注入とスピン流 本研究内容を行うためのポンププローブ系の測定系を検討した. 4強磁性共鳴と磁気緩和,を行う. 強磁性体/非磁性体/強磁性体(F1l/Cu/F2)の積層構造試料において,F1およびF2の材料をNi_<80>Fe_<20>,Co,Co_<75>Fe_<25>,Co_<90>Fe_<10>,Co_<40>Fe_<40>B_<20>と変化させ,種々の組み合わせで横スピン侵入長の測定をおこなった.非磁性体/強磁性体界面の状態,特にミキシングコンダクタンスの値が侵入長に影響を及ぼすことが実験的に示唆された.
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