研究領域 | スピン流の創出と制御 |
研究課題/領域番号 |
19048014
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大谷 義近 東京大学, 物性研究所, 教授 (60245610)
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研究分担者 |
新田 淳作 東北大学, 工学研究科, 教授 (00393778)
秋永 広幸 独)産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (90221712)
井上 順一郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60115532)
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キーワード | スピン注入 / スピン蓄積 / スピン起動相互作用 / スピン流 |
研究概要 |
本特定領域研究・研究項目「スピン流とナノヘテロ構造」では、金属、半導体、酸化物等で構成されるナノヘテロ構造を用いて電荷流からスピン流を効率良く生成し、伝播させ、更に電荷流に再変換する新たな操作原理を探索し、その手法を確立することを目的とする。本調整班の役割は、4つの研究グループが有機的に結びついて相互に情報交換しながら進展するための支援体制を構築することである。そのために平成20年度までにメールやビデオ会議を通じて議論するためのデータサーバーやビデオ会議のインフラ整備を行い、研究成果に関する情報交換を行った。この結果、効果的な情報交換が可能になり、4研究グループ間の研究進展状況や相互の研究に関する相補的な理解も深めることができている。 例えば、金属ナノ構造におけるスピンホール効果については、理論と実験グループが共同して研究を進め始めている。具体的には、理論グループが内因性スピンホール伝導度を自ら提唱する発現機構(電子の長距離原子間ホッピングに起因する異常速度とスピン起動相互作用に起因する位相因子による有効AB効果)を考慮して4d・5d遷移金属に関して系統的な計算を行い、実験グループは、同様な遷移金属について得られた実験結果を、本支援体制を利用して、理論計算の結果と比較・検討している。理論計算との比較に耐える結果も得られ始めており、調整班の研究支援体制が有効に機能していると考えられる。
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