研究領域 | スピン流の創出と制御 |
研究課題/領域番号 |
19048019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 雅明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30192636)
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研究分担者 |
鈴木 義茂 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50344437)
清水 大雅 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (50345170)
仲谷 栄伸 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (20207814)
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キーワード | 強磁性半導体 / GaMnAs / GeMn / スピン波とスピン流 / 半導体光アイソレータ / 非相反半導体レーザ / Spin-MOSFET / 磁気渦の磁化反転 |
研究概要 |
デバイス応用につながるスピン流の制御や機能性を明らかにすることを目的として、4つの計画研究グループ(田中、鈴木、清水、仲谷)が研究を行った。主な成果は以下のとおりである。 ・強磁性半導体GaMnAsにおけるフェルミ準位の位置とバンド構造を系統的に解明した。従来の定説と異なり、GaMnAsのフェルミ準位が禁制帯中に存在し、価電子帯のスピン分裂はわずかであることを明らかにした。 ・MnAs金属ナノ微粒子で長いスピン緩和時間(10マイクロ秒)を観測した。これで金属系で観測された最も長いスピン緩和時間である。 ・MnAs強磁性ソースドレインをもつSpin-MOSFETを作製し、磁気輸送とスピンバルブ効果を観測した。 ・(111)Ge基板を使用することにより、均一なMn分布をもつGe_<1-x>Mn_x混晶薄膜の成長に始めて成功した。 ・反強磁性結合多層膜や反強磁性体などのスピン波とスピン流との結合機構を解明し、スピン流の超高速ダイナミクスの学理を明らかにした。 ・スピン流高周波・ミリ波・THz波デバイスの可能性を明らかにした。 ・エピタキシャル強磁性MnSbを用いた半導体光アイソレータの作製に成功し、半導体光アイソレータの消光比12dB/mmの実現と、80℃までの高温動作に成功した。 ・磁化状態で発振状態を制御可能な非相反半導体レーザを作製した。このことによって、非相反偏光回転に基づく半導体光アイソレータの実現や、一方向発振リングレーザの実現に成功した。 ・磁気渦の磁化反転の解析とこれを用いたデバイスの動作条件について計算機シミュレーションにより解明した。
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