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2007 年度 実績報告書

強磁性半導体における光磁化の解明と制御

計画研究

研究領域スピン流の創出と制御
研究課題/領域番号 19048020
研究機関東京工業大学

研究代表者

宗片 比呂夫  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60270922)

研究分担者 北本 仁孝  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (10272676)
菅原 聡  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40282842)
橋本 佑介  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 研究員 (20400989)
キーワードキャリア誘起強磁性 / 強磁性半導体 / スピンダイナミクス / 光励起磁性 / 磁気光学効果 / スピン波励起 / ジャイロ磁気効果 / 分子線エピタキシー
研究概要

2005年に世界に先駆けて見出した強磁性半導体(GaMnAs)の磁化の光誘起才差運動に関し、新規な知見が豊富に得られた年度となった。そのような進展は、磁化の運動に基く磁気光学信号に含まれるノイズを効果的に抑制した超高速分光システムから得られた実験データとジャイロ磁気理論に基づくシミュレーションとを組み合わせて、初めてもたらされたと総括される。具体的には、以下の3つの新たな知見が得られた。まず、第一に、この現象が光励起の非熱的過程を起源とするものであること、次いで、第二に、才差運動を支配する2つの因子、すなわち、内部磁場Hと振動ダンピング因子αが結晶試料のMn濃度と明らかな相関があること、そして、第三に、複数のフェムト秒パルスレーザーの照射タイミングを制御すると、磁化の才差運動を停止あるいは加速できること、が明らかになった3つの新知見である。
以下に、専門的見地から項目1と2を補足する。
1.バンド間励起で価電子帯の正孔キャリアと電子エネルギーが過渡的に増加・緩和する。この過程中に試料の磁気異方性磁場が変化し、磁化の方向を決めていた内部磁場Hの方向が平衡状態から過渡的に逸脱する。その結果、磁化Mにトルクが働き、Mは非平衡Hに追随するように才差運動を行う。非局在電子系において光の非熱的過程で才差運動が誘起された最初の実験例である。
2.様々な試料で上述の現象が起ることが明らかになったので、項目1で確立した手法を用いて正孔誘起強磁性のダイナミクスのMn組成xおよび正孔濃度p依存性を調べた。結果、内部磁場Hならびに振動ダンピング因子αはそれぞれ、x, pの増加とともに減少することを見出した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Photo-induced precession of magnetization in ferromagnetic (Ga,Mn)As2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Hashimoto, S. Kobayashi, H. Munekata
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 100

      ページ: 0672021-4

    • 査読あり
  • [学会発表] Light induced Magnetism in Magnetic Semiconductors (Invited)2007

    • 著者名/発表者名
      H. Munekata
    • 学会等名
      MORIS 2001 Workshop on Thermal and Optical Magnetic Materials and Devices
    • 発表場所
      Pittsburg, PA, USA
    • 年月日
      2007-09-24
  • [備考]

    • URL

      http://wvvw.is1.titech.ac.jp/~munelab/

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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