計画研究
光子と分子の強結合状態を形成するためには、フォトニック結晶、微小球、ランダム媒質等の微小共振器や金属ナノ構造体によって、光子あるいは光子と電子がカップリングした状態を微小空間に閉じ込める系が必要であり、そのような共鳴系では時間の不確定性は大きく、スペクトル線幅が極めて狭くなる。本研究では、波長可変狭帯域レーザーをコンフォーカル系で顕微鏡に導入し、メガヘルツの周波数(<10・5nm波長)分解能とサブマイクロメートルの3次元空間分解能をあわせ持つ顕微分光システムを世界に先駆けて開発している。本システムにより、光閉じ込めのQ値が108以上の局在場のイメージングを実現することができるとともに、局在場における光と分子の強結合反応プロセスを高効率に誘起し解析することを目指している。微小共振器における光局在のシミュレーションと光分子強結合状態の解析として、マクスウェル方程式とプロッホ方程式を組み合わせて電磁場中の分子ダイナミクスの空間分布を数理解析する新しい手法を、A01班・理論グループとの共同研究で開発した。本手法を用いて、ランダム媒質における光局在状態を解析し比較評価を行うとともに、分子の遷移ダイナミクスについてシミュレーションを行った。狭帯域レーザー顕微分光イメージングシステムの設計・試作として、数理解析結果に基づいて、イメージングに要求される空間・波長分解能、感度等を見積もった上でシステムを設計した。設計においては、コンフォーカル顕微鏡の世界的権威であるオーストラリアスウィンバーン工科大学Gu教授との共同研究を実施した。波長可変狭帯域レーザーを光学顕微鏡に導入し、共焦点系を組むとともに検出系には高感度光子検出器を装備して狭帯域レーザー顕微分光イメージングシステムを試作した。
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http://optsys2.es.hokudai.ac.jp/