計画研究
光を閉じ込めるナノ構造体として、我々がこれまで実績を挙げてきた微小球やランダム媒質を研究対象とすると共に、フォトニック結晶や局在プラズモン構造体の解析を行うために、特定領域内の構造体作製グループや反応解析グループとの共同研究として、光局在場において遷移ダイナミクスの観測や分子間エネルギー移動プロセスの増強効果の解析を実施した。具体的には、微小球共振器における自然放出過程・エネルギー移動過程の増強については既に基礎的実験を実施しているが、光局在の空間分布解析や狭帯域集光レーザーによる高効率な反応の誘起について研究を展開し、A03班・計測グループメンバーとの共同研究として光分子強結合反応場の初期的実験を行った。また、理論グループと共同研究で、もつれ合い光子対を用いて回折限界を超える空間分解能を得るシステムを設計した。高出力のCWチタンサファイアレーザーと非線形結晶を用いて量子相関光子を発生させ、顕微分光顕微鏡システムに導入し、もつれ合い2光子顕微イメージングシステムを開発している。さらに、A01班、A02班の構造体作製グループと共同で、枝付き微小球上に金属ナノ構造体を作製し、微小球の光閉じ込め効果とプラズモン増強効果を同時に誘起する全く新しいアイデアに基づく微小デバイスを構築した。狭帯域レーザー顕微分光イメージングシステムを用いて光局在とプラズモン増強効果の相乗効果について実験的解析を行うとともに、シミュレーション解析により極限状態の実現に向けて検討する。本研究は、超高効率・新奇光反応系の実現と共に量子効果が実現する新しい光デバイスへの応用が期待される。
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http://optsys2.es.hokudai.ac.jp/