研究概要 |
金属超微粒子のように大量かつ高精度に合成可能なナノオブジェクトを、光-分子強結合反応場の構成ユニットとして機能させるためには、ナノオブジェクトを固体基板上に正確に配置することが必要不可欠である。本計画研究では、トップダウン型の微細加工技術による構造構築支援を効果的に自己組織化と組み合わせることで、意図的な設計に基づく自在な形状を有する光-分子強結合反応場を構築するための微細加工・微細組立技術を開発する。本計画研究では、3つのサブテーマについて研究を進めた。 (1) 光微細加工研究 : 室独自の光微細加工技術である真空紫外(Vacuum Ultraviolet Lithography, VUV-L)マクロ加工技術の、光強結合場構築への対応を目指し、プロセス条件の見直しと改良を実施した。まず、光学的応用のため必要不可欠な透明基板へ対応するため、石英基板へのSAMレジスト被覆およびVUVパターニングの実験をおこなった。さらに、ITO基板,石英基板,シリコン基板上へ、それぞれ、構築したSAMマイクロパターンを化学機能テンプレートとして、金ナノ粒子を配置する実験を行った。その結果、0.3-0.5μmというサブミクロンレベルの線幅で、金ナノ粒子配置構造を構築できることを実証した。また、ひとつのフォトマスクからポジ型・ネガ型両方の金ナノ粒子集積パターンを、自在に作り分けるプロセスを確立した。 (2) ナノプローブ微細加工 : 原子レベルで平滑なSAMレジストを用い、10nmクラスの細線加工が安定的にできるようになったので、プローブ描画細線上に金ナノ粒子を配置する実験を行い、金ナノ粒子1次元配列を作製することに成功した。 (3) 光強結合場リソグラフィ : 局所的増強場を形成する機能を持つフォトマスクとして使用することを目的に、金ナノ構造を有するフォトマスクを試作した。
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